専門チームがDXを推進
売上140億円超
賃貸仲介・管理、開発を手がけるS-FITの23年6月期のグループ連結売上高は、140億7471万円。前期比で104.9%と増収だった。「賃貸仲介件数ランキング」では11位につけ、年間賃貸仲介件数は2万5820件と前回比83件増。仲介店舗数は22店舗。1店舗を新規出店し、2店を閉店した。
売上比率の事業別構成比は、賃貸仲介事業が約70%と主軸。賃貸管理事業が15%、売買仲介・開発事業が15%となる。
最重要経営課題とするのが「賃貸仲介ビジネスの抜本的改革」だ。24年も継続して、賃貸仲介業務の生産性向上とそのためのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていく。
紫原友規社長は「賃貸仲介は、売買仲介に比べ単価が10分の1程度だが、売買仲介と同じような業務フローで行っている実態がある。それでは、賃貸仲介の生産性を高めることはできない。単価を上げることも難しい中、業務自体を大きく変え、コストをいかに減らせるかが重要。新しい賃貸仲介の形をつくっていきたい」と語る。
1人で月97件成約
22年7月に、不動産DXによる業務改革を担う「DX戦略統括部」を立ち上げた。全員がDXのための専任者で、営業などは行わない。
スタート時の10人体制から16人にまで人員を増やし、改革のスピードを上げる。同部のメンバーを通じて、現場のスタッフへもDXの重要性の意識浸透を図る。
同部の発足から23年にかけて行ってきたのは、まず、賃貸仲介業務の棚卸しだ。一つ一つの業務の所要時間を現場のスタッフにヒアリングし、データ化し、分析できるようにした。そのうえで、大きく、営業、案内、契約の三つに分けて、分業化を行い「1人あたりの仲介件数」をどれだけ増やせるかを追求してきた。
繁忙期の23年3月には、1人で月97件という数値を打ち立てた営業スタッフが出てきた。22年の1人あたりの月間最多成約件数は69件だったため、27件上回ったことになる。「ただ、この件数は、内見、契約業務は別スタッフに業務を切り分けた結果。追加の人材コストがかかっている。各自に振り分けた業務のうち、どの業務をDX化しコストを減らすかをこれから検討していく」(紫原社長)
「人材の個人差」の分析も並行して行う。営業スタッフの中でも、人によりパフォーマンスが大きく異なる。成績を残している人材とそうでない人材の業務にかける時間・手法を集約し、営業方法を仕組み化する。
分業化により、繁忙期・閑散期を含め月平均30件程度の仲介を行えることが見えてきた。すべての営業スタッフが同水準のパフォーマンスを実現できるようにしていく。
既存店の中からDXに関するトライアル店舗を決め、24年には、個人によるパフォーマンスの差をどこまで縮められるかといった業務の標準化の仮説を検証する場とする。
「当社の管理物件の自社付け率は2割程度。管理会社としてのリーシングではなく、あくまで賃貸仲介単体で利益を生み出す体制をつくる」と紫原社長はコメントした。
(2024年1月1・8日19面に掲載)




