活用推進で売上前年比120%
賃貸仲介業務の営業支援システム「nomad cloud(ノマドクラウド)」を提供するイタンジ(東京都港区)は4月19日、同システムの活用事例を紹介するオンラインセミナーを開催。賃貸仲介業を行う不動産会社を中心に、168人が視聴した。
事例を発表したのは、年間賃貸仲介件数1600件の遠州鉄道(静岡県浜松市)だ。同社から不動産事業部浜松賃貸ブロックの山本圭吾ブロック長と、不動産事業部アセットマネジメント課の山﨑万晴ホームアドバイザーが登壇した。同社はnomad cloudの活用促進に注力。2023年度の賃貸仲介売り上げが前年度比で120%、単月の最高では同150%に伸長したという。
同システムは、主にポータルサイト(以下、ポータル)経由の反響の自動取り込みや追客業務を自動化できるもので、賃貸仲介会社の反響来店を支援する。遠州鉄道では、16年ごろからポータル反響の集約化を目的に導入し、22年ごろから未使用だった機能の活用を開始した。
特徴的なのは、社内に向けて独自にnomad cloudの使い方マニュアルを作成した点だ。機能の使い方は、イタンジに監修を依頼したうえでマニュアルを完成させ、現場への活用を促していった。
山本ブロック長は「マニュアルを作っただけでは意味がない。現場がシステムを使った成功体験を積み重ねられるよう意識した」と語る。
マニュアルを基に、イタンジの担当者を招いてシステムの活用方法の研修を実施。さらに、「案内数」「来店数」「メール対応件数」などスタッフ1人あたりのパフォーマンスを社内のチャットツールで呼びかけ、数値で見える化することで生産性を高める意識を醸成していった。
マニュアル化によるシステム活用が現場に浸透し業務の効率化が図れると、接客時間が確保できるようになった。1人あたり1日2件だった対応数が6件となり、回転率が上がったことで、売り上げ増加につながった。
(2024年5月20日4面に掲載)