天然素材ゼオライトを活用
建築や土木など資材製造を手がけるみやちゅう(宮城県仙台市)は、換気給気口からの騒音を低減する「静換気(しずかんき)」および、天井からの騒音を低減する「T‐Silent Ceiling(ティーサイレントシーリング)」の製造を行う。
静換気は、給気口の管内に挿入するだけで、屋外への音漏れや屋外からの音の侵入を低減する消音器だ。従来は消音性能を高めようとすると外壁に防音ベントキャップを取り付ける必要があり、意匠性を損なうものが多かった。同商品は給気口内に設置するため、外観を損なわない。
本体には、低音から高音まで幅広い騒音を低減させるために、共鳴器を組み込んだ。また吸音素材であるゼオライトを使用している。さらに給気口内に二つ設置することで騒音防止効果を高める。
2024年4月から販売を開始し、すでに200カ所以上で利用があるという。料金は2個セットで1万450円(税込み)から。
一方、T‐Silent Ceilingは、ゼオライトを封入した粒状体を袋詰めした天井制振材だ。天井裏に敷き詰めることで、一般的な二重天井の約90%の振動エネルギーを低減することが可能。子どもが跳びはねる音や物の落下音、洗濯機の動作音など、天井を介した振動音を吸収する。
静換気とT‐Silent Ceilingは、大成建設(東京都新宿区)との共同開発により生まれた。騒音が問題になりやすい賃貸住宅をはじめ、ホテルや保育施設などで利用されている。
建材事業部の畠山正樹氏は「静換気もT‐Silent Ceilingも施工が簡単である点が特長だ。新築だけでなく、既築物件にも利用できる。物件の付加価値を向上させたいオーナーや管理会社に利用してほしい」と話す。
(2024年8月5日33面に掲載)