利用履歴を最大3人にメール
炊飯ジャーをはじめとした家庭用日用品メーカーの象印マホービン(大阪市)は、ポットを活用した高齢者の見守りサービス「みまもりほっとライン」を提供している。2001年の事業スタートからこれまでの利用者は累計1万4000人を超える。
専用の電気ポット「i-PoT(アイポット以下、ポット)」の使用履歴を基に入居者の安否を確認するサービスだ。通信機能を持つポットが、操作時間などを自動でクラウドに記録する。
直近の履歴5件を1日3回まで、あらかじめ設定した時間にメールで送信。通知先は管理人や入居者の親族、ケアマネジャーなど、任意で最大3人まで設定できる。
ポットは電源コードをコンセントに差すだけで利用可能だ。導入費用は5500円、月額料金は3300円(いずれも税込み)となる。
キッチンにi-PoTを置いたイメージ
安否確認以外にも、認知症の早期発見などにも活用することが可能だ。例えば、利用時間が昼夜で逆転したり、空だきなどが頻発したりする場合は認知症の疑いがあるとして、すぐに対策をとることを推奨している。
23年5月には、マンションやサービス付き高齢者向け住宅の管理人が入居者の安否を一括で確認できるシステムを実装した。管理人はウェブシステムの「契約者サイト」で、入居者のポットの利用履歴を一括で確認することができる。
象印マホービンCS推進本部の樋川潤シニアアドバイザーは「まずはサービスを利用してもらうことを第一としている。ポットでの見守りは、入居者にとっては監視されているという感覚がないことが利点だ。また入居者の親族にも、ポットが提供する情報の便利さや安心感を実感してもらえる」と話す。
(2024年8月5日35面に掲載)