日銀が2024年3月にマイナス金利政策の解除を発表したが、投資用不動産への融資金利に影響は出ているのか。収益不動産ポータルサイト(以下、ポータル)運営2社による投資家会員への調査では「金利が上昇している」との回答が上がってきている。
収支想定、継続できる経営重要
3割「上がった」
一部の不動産投資家は、収益物件購入時に金利の上昇を感じているようだ。
収益不動産のポータル「健美家」を運営する健美家(東京都千代田区)は4月から5月にかけて投資家会員向けのアンケートを実施。その中で、「金利は1年前と比べて変化したか」の質問に対して、33.3%が「上がった」と回答した。
2023年10月以降に物件を購入し、融資を活用した回答者を対象に、金利が何%台だったかを聞いた質問では、最多が「2%台」で41.6%。続いて、「1%台」が前回の23年4月より1.6ポイント下がった40.4%だった。
健美家の倉内敬一社長は「金利が上がっていても、小幅な上昇でとどまっているのではないか」と語る。
金利については二極化の傾向もあるという。「1%台未満」の回答は13.5%と、前回よりも4.6ポイントアップした。資産があり金融機関との関係性ができている場合には低めの金利で借りられるケースもある。