オーナーとの交流を重視
出雲トータル不動産(島根県出雲市)は管理戸数を前回比214戸純増し、781戸とした。商圏は出雲市。
増加分のうち半分が他社からの管理替えによるものだ。案件を受ける余裕がない不動産会社や建築会社からの紹介も増加分の約40%ほどある。
他社からの管理移行は、22年ごろから増加。修繕対応のスピード感や、空室対策の提案がないといった管理会社とのコミュニケーション不足を感じているオーナーからの問い合わせが来ている。問い合わせ後に同社の管理の特徴を伝えることで、新たな受託につながっているという。
同社は全国賃貸管理ビジネス協会(以下、全管協:東京都中央区)に加盟して、賃貸住宅の大規模修繕積立金制度である「賃貸住宅修繕共済」や、住宅設備機器の共同購入を利用して、修繕に関しての提案やコスト面でオーナーの満足度を獲得している。オーナーとのコミュニケーションを密に取っており、そうした対応がオーナー間で口コミで広がり、管理の問い合わせが来ているという。
商圏の賃貸市況は安定が続くとみる。商圏である出雲市には村田製作所(京都府長岡京市)や島津製作所(京都市)といった大企業のグループ会社があり、派遣社員の出入りによる賃貸住宅の需要がある。
行政もI・Uターンを推進しており、県外からの移住者もいる。そのため、人口減少はあるものの、微減で影響は大きくないとみる。
「今後は社員の賃貸住宅の関連法案などについての知識の向上と、オーナーとの人間関係構築に関するスキルアップを図り、オーナーからさらなる信頼獲得を目指す」(伊藤勝社長)
26年までの2年間で、管理戸数1000戸が目標だ。
出雲トータル不動産
島根県出雲市
伊藤勝社長(57)
(2024年8月12日5面に掲載)