空室対策のケースも
近年、ペットと暮らす人の増加により、ペット飼育可能賃貸物件(以下、ペット可物件)の需要は高まっていますが、ペット可物件の供給はまだまだ追い付いていません。今回はペット可物件の供給、家賃・初期費用・設備の現状について触れ、ペット可物件市場が抱える課題を解説します。
掲載数の2割程度 エリアに偏りも
2024年8月時点での、大手不動産ポータルサイトであるアットホーム、LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)、SUUMO(スーモ)に掲載されている1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)のペット可物件数は、全体物件掲載数の2割程度となっています。(表1)
現在、ペットを飼育している世帯は全世帯のおよそ2割程度のため、一見、需要と供給のバランスは取れているように見えます。しかし、後述する「家賃・敷金・設備」の問題や、地域ごとの物件数の偏りなどを考慮すると、引っ越し先としてのペット可物件の選択肢は非常に限られており、実際にはペット可物件の需要に対して供給が足りていないという現状が浮かび上がってきます。