展開から4年で5棟、満室稼働
1万1400戸を管理するのうか不動産(石川県金沢市)では、自社で開発を手がける学生向けマンションが好調だ。
2020年に1棟目をスタートし、24年2月に5棟目を新築。8月末時点ですべての物件が満室稼働している。
苗加充彦社長は「竣工前に満室になることが多い。専有部を広く確保し、一般賃貸としても需要を獲得できる物件を学生向けマンションとして提供することで差別化を図れている」と語る。
学生向けマンションのブランド名は「BEANS SOU(ビーンズソウ)」。金沢大学や金沢工業大学などのキャンパスがある金沢市と野々市市で展開する。4棟は同社が土地を仕入れ建築後、自社保有・管理を行う。残り1棟は管理変更を機に受託した。物件規模は、3~5階建てで47~84戸。
専有部は、ワンルームと1Kを含め21㎡以上の広さが中心で、一般的な寮と比べ広さを確保した。中には、ワンルームで31㎡の広さの物件もある。
広さを確保した専有部
そのほかの特徴は、朝夕の食事と家具・家電付きで、管理人も常駐していること。家賃は3万4000~5万7000円で、別途食事費用と年間の管理費が必要だ。
苗加社長は「家賃帯としては、商圏内に立つ単身者向けアパートより数千円高い程度で食事が付くと考えると、割高ではない。それに加えて、少子化が進み、子どもの1人暮らしにかかる費用を惜しまない親が増えてきている印象だ」と分析する。
今後も、学生にとって利便性が高いバス停付近の土地や専有部の広さを確保できる土地を仕入れ次第、開発を進めていく。
のうか不動産
石川県金沢市
苗加充彦社長(55)
(2024年9月9日2面に掲載)