東京スター銀行(東京都港区)は、23年12月に熊本オフィスを開設。TSMCの従業員へのサポートに加え、台湾の投資家に対する熊本県の不動産の融資にも力を入れる。24年7月には、さらなる需要の拡大を見越し、スタッフを4人体制から7人体制に拡大。台湾人スタッフを2人から4人に増員した。
同社の親会社である台湾のメガバンク中国信託商業銀行(台湾台北市)とともに、同じく台湾資本であるTSMCの熊本工場の従業員に対する現地サポートなども行う。東京スター銀行熊本オフィスの森本聖一所長は「熊本県内で400人ほど台湾籍の方の口座開設を受けた。そのうち8割程度が給与振り込みにも使っていただいている」と話す。
問い合わせが増えているのが、不動産購入のための融資相談だ。自宅を購入したいというニーズに加え、台湾に在住する投資家から、投資用物件を探しているという相談も多数寄せられるようになった。多いときで月に約70件の連絡が来ている。
台湾在住の投資家が探す物件の傾向は二つある。一つ目は、建売事業者が作った分譲戸建てだ。4〜5棟まとめて購入している。二つ目は、単身で来日する駐在員の入居を想定した専有面積50㎡以上の広めの1棟賃貸マンション。
同行は積極的に投資用物件への融資を行っていく。台湾居住者向けのローン「東京招福星」の認知度をさらに高め、利用者を増やしていきたいとする。「熊本県の活性化のためにも、不動産会社も含めた他業種との連携により、日本に住むことになった台湾の方の生活面での不安の解消などにも貢献していきたい」(森本所長)
(2024年9月23日5面に掲載)