管理・仲介を行う、のうか不動産(石川県金沢市)は、入居率の向上を追求する施策でオーナーからの紹介を獲得し、成長を続ける。入居者向けサービスの提供で、「のうか不動産の物件に住む」ことに価値を生み出してきた。今後は、顧客接点の範囲を地域住民にまで広げることで、「なくてはならない会社」へと存在価値を高めていく。
独自の顧客サービスが武器
売上高5年で3割増 主眼は入居率 目標達成に手当
のうか不動産は、賃貸管理事業を主軸に成長を続ける。特徴は、高入居率を追求する徹底した姿勢だ。
2024年6月期の売り上げは15億6732万円だった。事業構成比は、賃貸管理が43%、修繕工事請負が34%、賃貸仲介が10%と続く。グループ全体の売り上げは同25億8077万円だった。グループ会社は、のうか不動産以外に7社あり、不動産事業における付帯商品の売り上げ、自社所有物件の家賃収入、買い取り再販売り上げなどを別会社として計上する。
のうか不動産としての売り上げは、計上する内訳の変化により正確な比較はできないが、19年6月期からの5年間で4億円超増加。約3割伸ばした。売り上げをけん引するのは主軸の賃貸管理事業で、管理戸数も同5年間で2816戸増やしている。
管理受託の多くは、既存オーナーからの紹介だ。その理由は、高い入居率にある。商圏となる石川県金沢市、野々市市、小松市における23年度の期末時点の入居率は96%。メイン商圏の金沢市のみでは98%と、エリア平均より10%ほど高いという。