KLC(東京都港区)は、空き地の取引に強みを持つ。遊休地のマッチングサイトと、不要になった不動産の有料引き取りサービスの2軸で展開。プラットフォーマーとしての認知度を高め、遊休不動産の流通活性化を目指す。
土地を有料で引き取り、高利益
純利益30%超 仕入れを収益化
「地方の遊休地の活用を促進したい。どんな不動産でもニーズはあるはず」
こう話すのは、KLCの小林弘典社長だ。同社は、遊休不動産を売りたい人・買いたい人のマッチングサイト「フィールドマッチング」の運営と、空き地の有料引き取り・再販を手がける。
「1件あたりの単価は高くないが、当社の事業は利益率が一般の不動産会社と比較すると非常に高い」と小林社長が話すように、24年8月期決算で営業利益率約50%をたたき出す。税引き後の当期純利益は32.5%だ。
高収益の理由としては、積極的な店舗展開をする必要がなく、固定費を抑えられる点が挙げられる。マッチング事業は、成約時に買い手からシステム利用料を得るビジネスモデル。個人間売買で契約書も自動で作成できるようになっているため、成約しない顧客への接客の手間を省くことができる。
だが最大の理由は、不動産の有料引き取りサービスにおいて、引き取り後に発生する保有・管理リスクを、引き取り料として収益化していることだ。
一方で、懸念点もある。
「遊休地と高額な引き取り料を依頼者から受け取って維持管理もせず、放置する不良業者が増えてきたのも事実。消費者庁も注意喚起を促すなど、社会問題になりつつある。この事業は収益構造の背景を理解し、引き取った土地を適切に維持管理、流通させることが重要」(小林社長)