物件全体の備え「なし」過半数
関係性の希薄さ 共助の障害に
気候変動による災害が増え続ける中、倒壊の恐れが比較的少ないマンションの住民には災害発生時、自治体から「在宅避難」が求められる。在宅避難を前提にした住宅内における対策の重要度は増す一方だ。
全戸一括型マンションISP(インターネット接続事業者)最大手のつなぐネットコミュニケーションズ(以下、つなぐネット:東京都千代田区)が8月に発表した「マンションでの防災対策に関するアンケート」の結果では、分譲マンションと比較し、賃貸マンションにおける災害対策の遅れが浮き彫りとなった。
同アンケートは、インターネット上で7月7日〜15日の期間で行い、分譲と賃貸を含む集合住宅の居住者が対象。予備調査で分譲1625人、賃貸2458人、本調査で分譲309人、賃貸206人から回答を得た。「もしも大地震に被災したら、その後どこで生活することを想定しているか」という質問に対し、自宅にとどまることを想定していると回答した割合が分譲では63.4%だったのに対し、賃貸では44.8%だった。