BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開するClassLab.(クラスラボ:大阪市)は、ライフライン取り次ぎを主軸に業績を伸ばす。全国の不動産会社2500社と提携。電話対応の質の高さを武器にIPOを狙う。
不動産会社2500社と提携
入居者情報を連携
「参入障壁が低い業界である分、非常に競争が激しい事業。社内のシステム化と、社員教育をしっかり行うことで差別化を図っている」
こう話すのはClassLab.の古屋敷大樹社長だ。同社は三つの事業を展開する。主軸は賃貸住宅の新規入居者へのライフライン取り次ぎサービスで、売り上げの95%を占める。そのほか、暮らしに関わるインターネットメディア「RIRIFE(リリフ)」の運営と「空室通電サービス」を提供する。
19年に創業し、売上高は右肩上がりだ。24年3月は前期から倍増となる7億円。25年3月期は倍以上の15億円を見込む。

23年にはイタンジ(東京都港区)が提供する「申込受付くん」と空室通電サービスを連携。入居申し込み情報をClassLab.に提供することで、電気の切り替えを自動化する。同連携により提携社数が大幅に増加したという。
提携する不動産会社は2500社程度で、継続的な送客がある取引先は約800社だ。
水道契約にも対応
ライフライン取り次ぎサービスは、提携する不動産会社から入居者情報の提供を受けて架電。引っ越し先のライフラインの契約代行を行い、紹介するサービス会社から紹介料を得るモデルだ。
サービスの一番の強みは、「目先の手数料にとらわれないこと」にあるという。
手数料が得られる新電力会社やインターネット回線の手続きだけではなく、水道の開栓・閉栓手続きや地域の電力会社への契約申し込みも代行する。「各自治体の水道局により、申し込み方法はさまざま。現地に訪問しなければならないケースもあり、その場合は方法を入居者に案内するだけになるが、基本的には申し込み完了までしっかり対応する」(古屋敷社長)
手数料を得られない水道局の開栓・閉栓の申し込みを行う取り次ぎ事業者は少ないという。オペレーターのコストがかかってしまうからだ。それでも同社が対応するのは、「入居者の満足度も高くなり、『一度申し込みを委託した会社なら、ほかのサービスも聞いてみようか』という心理も働く」(古屋敷社長)。結果的にほかの商材の契約につながりやすくなるという。
エラー率で評価
オペレーターが手数料を得られない契約手続きでも丁寧に行う理由は、同社の評価基準にある。
オペレーターは全員正社員。契約獲得によるインセンティブは設けていない。その分、契約手順や内容の伝え間違いなどの「エラー率」や「クレーム発生率」を担当者ごとの評価基準としている。クレーム発生率は平均して1000件中1件程度だ。
そのほか、オペレーターによるサービスの良しあしが出ないよう、フローをシステム化し、質の平準化を目指す。
具体的には、1回の電話で、紹介するサービス内容により話者を2人に分ける。水道・電気・ガスの必須インフラ担当の後、インターネットやウオーターサーバーなどの案内担当につなぐ。これにより、前の話者からの説明に間違いがなかったかなどの確認も併せて行うことができているという。
23年10月から開始した「空室通電サービス」は、管理物件の空室期間の電気の申し込み、解約を同社が代行するサービスだ。
管理会社は物件情報を同社にCSVファイルで送付。通電時・廃止時に同サービスサイトの管理画面からクリックすれば、同社が契約代行手続きを行う。
システム管理画面のイメージ
内見などによる、空室期間中の通電時の電気料金は同社が負担する。同事業単体での収益化はなく、ライフライン取り次ぎサービスの提携社数を増やすためのフックにする。管理会社の提携先を増やし、主力事業の収益増を狙う。
「3〜5年以内のIPOを目指す」(古屋敷社長)
(柴田)
(2024年10月28日8面に掲載)





