ハウスメイトグループ(東京都豊島区)は、2024年10月16日に創業50周年を迎えた。独立系でありながら、管理戸数は25万戸を超えており、賃貸市場における存在感は大きい。また、社宅代行などによる法人顧客とのネットワークも強みの一つだ。創業以来の社是である「感謝と努力の継続」を規範として、さらなる管理戸数の増加とオーナーの利益向上支援を目指す。
法人とのネットワーク強み
賃貸仲介6万6000件超に伸長
ハウスメイトグループは、独立系として管理25万3346戸、年間の賃貸仲介は6万6338件と業界における存在感を示す。
管理戸数ランキング上位の大手企業のほとんどが、建築とセットで受託する建築会社系列であり、同社はその中では特異な存在といえる。
賃貸管理、賃貸仲介、工事をワンストップでオーナーに提供。社宅代行サービス、フランチャイズチェーン(FC)事業により、全国に取引先の法人、提携不動産会社のネットワークを広げ、管理物件のリーシングに生かしてきた。
24年9月期のグループ売上高は、1838億9900万円。事業構成比の概要は、サブリース・管理手数料を含めた賃貸管理が5割、賃貸仲介が2割強、リフォームなどの工事が約2割、そのほかが1割ほどだ。
賃貸管理事業においては、管理戸数のうち、54%が一般(集金)管理、46%がマスターリースだ。1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の物件が66%を占める。基本は一棟もので、53%が単身者向け、47%がファミリー向け。受託するオーナー数は2万974人で地主系が多い。
賃貸仲介事業においては全国に直営92店舗を展開。年間の仲介件数のうち25%が自社管理物件への法人契約だという。
社宅代行管理戸数は8万3212戸、社宅代行の顧客企業数は430社にまで伸びた(24年9月1日時点)。また、7年より展開しているFCの加盟店ネットワークは90店舗となった。
場所借り1人からのスタート
今や、グループの総従業員数は2526人を抱えるまでに成長したハウスメイトグループ。その第一歩は、創業者の井関清氏(1938〜2015年)が1人で踏み出した。
大和ハウス工業(以下、大和ハウス)のグループ会社でのキャリアが縁で、大和ハウス厚木営業所の当時の所長に声をかけられた井関清氏は、特約店として大和ハウスの建てた賃貸住宅の管理を行う事業を頼まれることになった。営業所の一角にデスクを置かせてもらい、1974年10月16日に、屋号「ハウスメイト」としてのスタートを切った。
77年には、ハウスメイトを設立。84年には管理物件の設備点検やリフォームの専門会社として、ハウスメイトサービスを立ち上げた。
バブルが崩壊した90年には、他社にリーシングを任せていることに危機感を覚え、管理物件の仲介専門会社サンレントを設立。同年、東京エスター管理をグループ化し、寮や社宅の企画、管理専門会社としての営業を始めた。