スチールハウス工法による賃貸住宅が今、注目されている。鉄製の枠材を使ったパネルを組み立てる建築工法のため、その高い断熱性能や工期の短さによるコストパフォーマンスの改善が再評価されている。同工法を提供するNSハイパーツ(岐阜県可児市)の守沖敦社長に話を聞いた。
高断熱・短工期で需要増
省エネ法追い風 賃貸への採用進む
―これまで賃貸住宅での採用があまり聞かれなかったスチールハウスの採用事例が近年増えていると聞きました。
当社の設立は2010年で、提供するスチールハウス工法「NSスーパーフレーム工法(以下、NSSF工法)」自体の開発は03年です。NSSF工法で建築された賃貸住宅は、19年までで約200棟です。その後は受注が止まってしまっていましたが、近年再び採用事例が出始め、22年から今までで5棟の賃貸住宅に採用されました。
―ここ2年ほどでまた賃貸住宅への採用事例が出てきた理由は。
二つの外的要因があります。一つ目は、鉄の価格上昇です。22年から23年の間で、鋼材の価格はおよそ1.5倍になりました。NSSF工法は重量鉄骨造や軽量鉄骨造に比べて使用する鋼材の量が少ないことから、相対的に値上げ幅が小さく済みました。これにより、軽量鉄骨造との価格差が縮小したのです。
―従来はコスト競争力が低かったということですね。