現場を最長2週間で引き渡し
大阪府と神奈川県横浜市に拠点を構え、これまで約2000件の特殊清掃と約1万6000件の遺品整理をしてきたメモリーズ(大阪府堺市)。
特殊清掃における同社の強みは、消臭に高いスキル・ノウハウを持つことだ。遺体の腐敗が進んでいるような難易度が高い現場の場合、孤独死発見から再び賃貸に出せる状態になるまでは業界平均で4週間ほどだという。
同社では、床をめくり、壁を削り、躯体にはコーティングを施して最長2週間ほどで原状回復工事事業者に引き継げる環境にまで仕上げることができる。
数々の現場を見てきた同社の横尾将臣社長によると、ある程度孤独死を想定した居室とするのも工夫の一つだという。例えば、高齢者が住む住居の床はフローリングは好ましくないというもの。奥まで体液などが染み込みやすく、張り替え時のコストが高くなるため、より交換が容易なクッションフロアを使うほうがいい。
横尾社長の基本的なスタンスは、「死そのものは忌むべきものでも避けられるべきものでもない。亡くなった後に早期発見できる地域の在り方が望ましい」というものだ。実際に、早期発見を促すための講演活動も行っている。孤独死から発見までが3日以内であれば、消毒程度の清掃で済む。「特殊清掃が必要な現場がなくなればいい」と横尾社長は話す。
横尾社長は、孤独死の現場の特徴として、酒やジュース、お菓子が散乱しているなど生活が荒れていることや、ごみが捨てられず、いわゆる「ごみ屋敷」になっていることの2点を指摘する。部屋の中まで見ることは難しいにしても、長期間にわたってごみを出していない入居者がいないかどうかを確かめることで、ある程度の危険性は把握できると同社はみる。
周囲とのつながりでいえば、同じ時間に買い物や病院に行って地域住民と話す習慣のある人は早期発見がしやすいが、地域とのつながりがない人は周囲が〝におい〞を感じるまで気付かれないものなのだという。いかに入居者と地域をつなぐかが孤独死対策には重要になってくるといえよう。
メモリーズ
大阪府堺市
横尾将臣社長(55)
(2024年11月25日7面に掲載)




