阪急電鉄京都線沿いを商圏とする穂積住宅(大阪府茨木市)は、店舗の統廃合を行い賃貸仲介の粗利益率が20%伸長した。パフォーマンスを高めるため、現場の体制を一新。団結力を重視したことで、離職率低下の効果も出ている。「不動産業界以外の人たちから学び、組織づくりに生かしている」と語る景山道代社長に取材した。
団結力重視のチーム制が奏功
2店舗を統合 商圏の重複防ぐ
穂積住宅は、拠点の再編成を行い運営コストを削減。平行して組織体制を刷新し、会社全体のパフォーマンスを上げたことで、統廃合前と比較して賃貸仲介の粗利益率が20%上昇した。
同社は阪急電鉄京都線沿いで賃貸仲介・管理を行う。賃貸仲介件数は年間約1200件で、管理は3100戸を受託している。
店舗の統廃合は、新型コロナウイルスの流行により、外出自粛の動きが広がったことがきっかけで実施。それまで一定数あった飛び込み来店が激減したことから、店舗展開の見直しを図った。22年までは7店舗を運営していたが、阪急高槻店とJR高槻店を合併して高槻店とし、阪急茨木東店を阪急茨木店に統合。2024年6月には5店舗まで減らした。
旗艦店の外観写真
1店舗あたりの配置人数は3人から6〜7人に増員。各店ごとの体制強化も行った。
景山社長は「インターネットで内見したい物件の目星を付けて問い合わせる顧客が主流になり、飛び込みの来店が減ったため、店舗を拡大する必要性がなくなったと感じた。2店舗を閉めたものの、24年度の賃貸仲介の売り上げは23年度比95%と大幅な売り上げ減にはならなかった。店舗運営コストが削減されたことで利益率は上昇している」と語る。
3部体制を採用 連体感を醸成
店舗を閉鎖したにもかかわらず、売り上げの減少を抑えた理由は、同社独自の組織体制にある。チーム制を構築したことで全店での成約数が増加。業務のパフォーマンスを上げた。
従業員50人のうち、賃貸仲介を担当するのは35人。その賃貸仲介担当者を業務内容ごとに3チームに分けた。