5年ぶりの開催、4904人が来場【賃貸住宅フェア2024 in 大阪 開催レポート】
昭和山不動産,イニシオ・ライフサービス,日生産業,M'sアセットマネジメント,サンセイランディック,寺西エステート,JR西日本イノベーションズ
管理・仲介業|2025年01月20日
「賃貸住宅フェア2024in大阪」は、2024年12月5・6日の2日間で4904人が来場した。インテックス大阪の会場には、107社の出展ブースと78テーマの講座を設け、「テナント土地活用展」を併催した。さらに、社会課題である空き家をテーマとした複数のセミナーで構成する「空き家活用サミット」がメイン企画だった。家主や不動産会社などの賃貸住宅業界だけなく、まちづくりや空き家再生事業に関心を寄せる自治体や金融機関からの参加もあった。
空き家再生・まちづくり事業に熱視線
大阪で5年ぶりの開催となった同フェアの来場者は、4904人のうち約半数が大阪府内からだった。近畿エリア以外では愛知県、福岡県、東京都からの参加者が多かった。業種としては、賃貸仲介・管理業の不動産会社が29.3%と最も多く、次いで不動産オーナーが27.6%だった。
来場者は2日目が多く2500人を超えた
ブースを出展した企業の業種カテゴリーは、不動産管理・仲介事業などの業務支援システムやサービスが31社と最多。人材不足の影響を受け、ITやアウトソーシングによって業務効率化を図りたいと考える不動産会社が、出展ブースで熱心にサービスの説明を聞く姿が見られた。次いで、住宅設備が30社、リフォーム、リノベーションなどが18社だった。
大盛況のセミナー会場
セミナーは全部で8会場を設けた。家主向けの賃貸経営、法律・節税関係、リノベーション、賃貸管理仲介事業など、定番テーマのセミナーのほかに、今回は空き家活用やまちづくりに関するセミナー、売買仲介と買い取り再販事業に関するセミナーも企画。空き家活用や不動産再生によるまちづくりのセミナーには、不動産事業者だけでなく、自治体や金融機関も関心を寄せていた。
聴講者が多かったセミナーは、関西で活動する四つの家主の会代表が登壇した「家主の会代表のリレートーク 賃貸経営2025」、TMI総合法律事務所(東京都港区)による「弁護士が教える入居中でも家賃を上げる方法」などだった。
人だかりができるブースもあった
ブースでは、商品のデモンストレーションや、ミニセミナーを行ったり、来場者と商談をする姿もあった
来場者の声
異業種による講演 発想に刺激受ける
買い取り再販やリノベーションを手がける昭和山不動産(大阪市)の楠原陽子共同代表は、住宅設備やリノベのアイデアを探すために初めて来場した。
興味を持ったのは、サンリミックス(大阪府忠岡町)の「クロス再生」だ。楠原共同代表は「技術的な説明を受け、壁紙の変色が日焼けによるものでなく汚れだと知った。リフォームの参考になった」と話す。
セミナーでは、島本町商業協同組合の綿島光一理事長による、商店街に活気を取り戻した事例に刺激を受けたという。「異業種の人は発想が違う。われわれ不動産会社もこれからは柔軟に考えていく必要があると感じた」(楠原共同代表)
昭和山不動産
大阪市
楠原陽子共同代表(47)
地域活性化が課題 アイデア探しに
賃貸管理を行うイニシオ・ライフサービス(兵庫県宝塚市)の大村大社長は、商圏である宝塚市の活性化を課題の一つとして抱えている。解決のヒントを得ようと、まちづくりで成果を出している港不動産(大阪市)の金森匡邦社長のセミナーを聴講した。
「金森社長は自社で大阪市西成区の市場調査をし、それを基に国際的な街にしようと外国人向け商品を打ち出していた。行政とのタイアップの内容も参考になった」(大村社長)
大村社長は、地主から所有物件の売買についても相談を受ける。買い取り再販マーケットの成長性を解説した、リフォーム産業新聞社(東京都中央区)の金子裕介編集長によるセミナーも聴講し「再生事業の可能性を知ることができた」と話した。
イニシオ・ライフサービス
兵庫県宝塚市
大村大社長(47)
事業の多角化へ ビジネスの種探す
愛知県で賃貸仲介から管理、売買までを展開する日生産業(愛知県名古屋市)の生田雄大社長は、事業の多角化を見据え、ビジネスの種を探しに来場した。同社の売り上げの6割を占めるのは、2850室のレンタルコンテナなどのストレージ事業だ。
第2の柱となる事業を構想中。土地活用に関するブースなどを見て回り、事業の方向性を考える参考にしたという。
会場では、事業パートナーである家主向けの賃貸経営セミナーを聴講した。「オーナーが登壇するセミナー数の多さと、行列ができるほどの熱気に驚いた。家主が節税や家賃アップなどに関心を持っていることを再確認した」(生田社長)
日生産業
愛知県名古屋市
生田雄大社長(48)
水回り工事に関心 オーナーへ提案
収益不動産の売買仲介事業を専門に行うM's(エムズ)アセットマネジメント(静岡県浜松市)の不動産ソリューション事業部・村上正美部長は、地主系オーナーへの提案に生かせそうな設備・サービスを探すために来場した。
同社は売買仲介を主力とし、管理は行っていないが、オーナーが物件の売却を検討し始めたときに相談されるように、オーナーとの関係構築に注力している。
信頼を得るため、オーナーの収支や物件の状況を鑑みて個々に違った提案を日々行っているという。
特に今考えているのは設備などのハード面ではなく、サービスでの差別化だ。「例えば、営業の社員が簡易的な水回りの工事ができれば、オーナーの物件で漏水があった場合に自社で対応ができる。そのため、今回は水回り工事に関するブースを見て回った」(村上部長)
M'sアセットマネジメント
静岡県浜松市
不動産ソリューション事業部
村上正美部長(65)
複雑な権利の悩み 解消のヒント得る
初来場だったサンセイランディック(東京都千代田区)関西支店第一課の藤田啓輔課長。空き家の活用や民泊ビジネスに関するセミナー、関連ブースに興味を持ち足を運んだという。
同社は、権利関係が複雑な収益不動産の買い取り事業を専門とする。底地や借地権問題、築古アパートの立ち退き交渉など複雑な権利関係を解消して売却するスキームだ。「これまでは権利をクリアにして売るだけで、活用するという考えがなかった。同フェアで知ることができた利活用という視点や再生手法を取り入れ、今後につなげたい」と語る。
相続では、土地の権利関係が複雑化することが多い。今回、相続を扱う税理士との出会いも成果の一つとなったようだ。
サンセイランディック
東京都千代田区
関西支店 第一課
藤田啓輔課長(38)
107社がブースを出展した
14代続く地主 地域活性に関心
大阪市旭区、城東区、都島区で集合住宅、駐車場の管理・運営を行う寺西エステート(大阪市)の寺西慶 社長は、千島土地(同)のセミナー「不動産業から地域の未来を考える」を聴講するため来場した。寺西エステートは14代続く地主で、自社保有の不動産で事業を展開する。生み出した利益を地域に還元することを念頭に置き、長屋や築古戸建ての空室対策や空き室活用についても情報を収集した。
「利益追求だけでなく、地域に貢献することが事業継続の秘訣(ひけつ)」とする同社は、育英会を設立し、地元の高校生を応援する奨学金給付事業も50年続けている。同フェアではインバウンド(訪日外国人)向けの宿泊施設が少ない地元の活性化のため、民泊事業のトレンド情報も積極的に収集した。
寺西エステート
大阪市
寺西慶 社長(59)
コミックのサブスクリプションサービスを提供する企業のブース
コスト減に役立つ 情報や商材を発見
住宅の買い取り再販サービス「このび」を展開するJR西日本イノベーションズ(大阪市)戸建買取再販事業部の森一也事業部長は「同フェアは賃貸経営に特化したイメージだったが、リフォームや空き家など買い取り再販に役立つ情報も多く、業務に生かせそう」と来場の手応えを語った。
同社は、過剰な付加価値を与えず、多くの人に受け入れられるリフォームを提供する。洗面化粧台を上部だけ取り換える商材やユニットバスの改修コストを削減できる商材など、「有益な出合いがあった」と話した。
JR西日本イノベーションズ
大阪市
戸建買取再販事業部
森一也事業部長(36)
賃貸住宅フェア 2025 開催日決定
東京会場 9/17(水) 18(木)
大阪会場 11/26(水) 27(木)
出展企業 募集中
詳細は公式サイトへ→https://zenchin-fair.com
(2025年1月20日8・9・10面に掲載)








