社会課題である空き家をテーマとした複数のセミナーで構成する「空き家活用サミット」は、同フェアのメイン企画の一つ。遊休不動産を活用し地域活性化に取り組む、不動産会社や業界団体などが登壇し、実体験を語った。セミナー登壇者の一部は、出展ブースを構え、来場者に不動産再生のノウハウや事例を紹介。人口減少や空き家増加に悩む自治体や、地方創生につながる融資先を開拓したい金融機関などからの関心が集まった。同サミットのセミナーやブースを訪れた来場者の声を紹介する。
商店街の活性化 担い手との連携
池田泉州ホールディングス(大阪市)グループ戦略部の殿垣佑允次長は、住宅地における空き家対策の情報を集める目的で来場した。セミナーは、近畿経済産業局(同)の吉田優輝さんによる「空き店舗リノベーションによる、商店街活性化の事例」を聴講。空き店舗の状況と商店街活性化の好事例が参考になったという。「当行の営業エリアにも商店街がある。セミナーを聞いて、店舗ごとの対応は難しいことがわかった。自治体や事業者に加え、移住者や創業者等新たな担い手との連携が鍵になると認識した」(殿垣次長)
古民家の耐震診断 事業性の参考に
大阪メトロ(大阪市)都市開発事業本部、駅関連・沿線開発部の浦田周兵さんは、沿線地域の空き家の利活用を進めるうえで、築古物件に対する三つの課題を抱えている。一つ目は流通ルートの開拓。二つ目は地域活性化に資するプレーヤーのアイデア収集。そして三つ目は、築古物件の安全性や耐震性といった技術的解決策を探すこと。それらのヒントを得ようと来場した。
会場ではインスペクション(建物状況調査)やリフォームを手がける一般社団法人全国古民家再生協会大阪府連合会(大阪府岸和田市)のブースに興味を持った。「耐震診断の仕組みや再生のための調査ノウハウがある。築古物件の事業性と経済性のラインを考える際、参考にしたい」(浦田さん)
住宅の流通促進 事例収集が目的
神戸市建築住宅局政策課の松添高次課長は、賃貸住宅の流通促進を目的としたつながりづくりと事例収集で来場した。
セミナーは中古住宅の買い取り再販や、空き家事業の先進事例などを聴講した。「学ぶことは多かったが、中古住宅の流通促進を考えるうえで、『断熱』という言葉が出なかったことに、行政として危機感を抱いた」(松添課長)
夕方からはビジネス交流会に参加し、関西の不動産会社とつながる機会となった。
(2025年1月20日8面に掲載)




