「最新テックトレンドを話せるようになる」をコンセプトにしている本連載も、残すところ今回と次回の2回となりました。
これまでさまざまな先端技術について話してきましたが、最後のテーマは、それらの技術を最大限に活用するために、不動産業界が進めるべき「データ整備」についてです。
本連載で紹介してきたAI(人工知能)やブロックチェーン、ドローンなどの技術は、適切に活用すれば不動産取引の透明性を向上させ、業務の効率化を実現する可能性を秘めています。しかし、それらを機能させるには、前提として「データが整っていること」が不可欠です。
データが整理されていなければ、どれだけ高度なAIやシステムを導入しても、力を十分に発揮することはできません。
データ整備の必須性
例えば、AIは過去のデータを学習し、そこからパターンを見つけ出して予測を行う技術です。エリアごとの賃料や成約価格の推移をAIに学習させることで、適正な家賃査定や将来の価格変動の予測が可能になります。
しかし、AIが「このエリアの適正な賃料は△△円」と査定したとしても、元となるデータが古かったり、不正確だったり、十分な量がなかったりすると、導き出される結論は実態とズレてしまいます。その結果、予測の精度が大きく下がり、AIの活用自体が進まなくなってしまうのです。