財産管理の新たな手法として「家族信託」が注目されています。特に賃貸オーナーの認知症対策や相続対策として有効な選択肢となるため、ぜひ活用を検討してみてください。
家族信託の背景
家族信託が注目されることになった背景には、高齢化社会の進展と認知症患者の増加があります。2030年には65歳以上の約3人に1人、1000万人以上が認知症、または軽度認知障害になると推計されています。
認知症により本人の意思能力が失われると、金融取引や不動産の管理・売却などはできません。民法でも意思能力のない人の法律行為は無効と明文化されています。
認知症対策としては成年後見制度がありますが、家庭裁判所の監督下で運用されるため、自由度が低く、財産の活用が制限されるというデメリットがあります。これに対して、家族信託は家族内で柔軟に財産管理ができる点が評価され、広く普及し始めています。