地場中堅の賃貸管理会社上原不動産(山口県下関市)からまちづくりを行う会社として独立したのがARCH(アーチ:同)だ。空きビルや空き店舗の再生に取り組み、地域活性化に力を入れる。
1000人規模のイベント開催
空き家再生3拠点 起業を後押し
ARCHは、空きビルや空き店舗をレンタルスペースや、コワーキングスペースの「HACORI(ハコリ)」として再生。中にはここで起業し、独立したテナントもあるという。
上原不動産は下関市の中でも下関駅前の竹崎茶山エリアを中心に、約1500戸を管理する地場中堅管理会社だ。同社では2022年からまちづくり事業を開始。24年には同事業を独立させARCHを設立した。
同社の活動は主に四つ。まちづくりの拠点づくりと、まちおこしイベントの開催、移住相談窓口の運営、竹崎茶山エリアに特化した売買・賃貸仲介事業だ。
まず、まちづくりの拠点として、10月17日時点で、空き店舗を再生したHACORIシリーズを3 拠点展開。HACORI茶山はレンタルスペースとして、HACORI豊前田はコワーキングスペース兼シェアオフィス・キッチンとして活用されている。HACORI幸町はスペースを分割することで借りやすいテナントとして提供する。
HACORIの狙いは、新しく事業を立ち上げたい人への支援だ。同社がメイン商圏とする竹崎茶山エリアは空き店舗が多いが、スモールスタートを希望する事業者向けの安価な物件が少ない。そこで、法人登記が可能、かつ時間貸しもできるスペースを提供する。
利用料金は、シェアオフィスが1時間500円で、1日利用の場合は3000円、定額制プランは月額2万円。レンタルスペースは1時間1500円から利用できる。
物件はARCHもしくは橋本社長が個人事業主として物件を所有、または借り上げている。管理は上原不動産が担う。
すでにHACORI豊前田のシェアキッチンを利用していた4人の事業者が、ここでの経験を生かし、市内で飲食店をオープンした。焼き菓子を販売していた店舗はすでに2店舗目を出店するほど順調だという。
HACORI豊前田のシェアキッチン
橋本社長は「月に5万円稼ぐことができればいいといった副業から始めて、夢の実現を目指す人向けの物件が今までなかった。レンタルスペースやシェアオフィスでお試し起業して、事業の可能性を試してもらっている」と話す。




