ライフコーポレー ション、沖縄・豊見城市で3400戸受託

ライフコーポレー ション 

管理・仲介業|2025年11月07日

ライフコーポレー ション 沖縄県豊見城市 新垣 春彦 社長

 沖縄県豊見城市を主な商圏として、賃貸住宅を約3400戸管理するライフコーポレーション(沖縄県豊見城市)は、業務の効率化を推進。複数の施策を並行して行い、2021年と24年を比較して事務作業時間を約9割削減した。将来的には業務を自動化し、オーナーや顧客らと対面でのコミュニケーションの時間を多く持つことを目指す。

ITで効率化、事務作業9割減

売上11億8800万円 業務改革を推進

 ライフコーポレーションは、24年9月に就任した新垣春彦社長の下、主にIT活用による業務改革を進める。同社は沖縄県那覇市に隣接する豊見城市で04年に創業した。25年5月期の売上高は11億8862万円。事業構成比は建築事業が43%、賃貸管理・仲介事業が27%、売買事業が7%、家賃収入などを含めたその他が23%となっている。

 事業の中でも中核と位置付けるのは、賃貸住宅の管理・仲介だ。全従業員43人のうち、賃貸住宅事業に携わるのは20人。管理受託オーナー数は約590人で、地主系オーナーが9割、投資家系オーナーが1割となっている。新規の管理受託は、既存オーナーや協力事業者、入居者からの紹介が9割超を占めるという。

事業構成比率とサービス内容

 24年度は170戸増やした。24年9月に取締役社長に就任した新垣社長は、創業から4年後の07年の入社以来、賃貸住宅事業を中心に携わり、会社の成長をけん引してきた。前社長の金城秀人氏は代表取締役会長に就いた。

原復費用を負担 家主に改修促す

 「不動産は世の中で一番やりがいのある仕事。この商売ほど面白いものはない」と新垣社長は力を込める。新垣社長は入社から約17年間、賃貸管理業務に携わってきた。その中で業務の煩雑さなどに伴う忙しさが課題だと感じていた。仕事の醍醐味(だいごみ)を社員にたくさん味わってもらいたいという気持ちから、効率化と改善に意欲的に取り組んでいる。

 まず着手したのは退去時作業の効率化だ。13年ごろから試行錯誤しながらブラッシュアップを重ね、22年に現在の形となった入居者向け付帯サービス「スクランブルサポート」を提供。8月末時点で管理物件の4割で契約されるサービスに成長した。

 主な内容は、24時間365日の現場駆け付けサポート、空き巣被害や水濡れ被害などで転居する際の見舞金の支払い、入居中・退去後の修繕費用の一部補償の三つだ。費用は間取り別に2プランを用意。月額料金はワンルーム〜1DKを対象とする「スクランブルサポートS」が1650円、1LDK以上の「スクランブルサポートF」は2750円(いずれも税込み)となっている。入居者は同サービスを契約すると退去時の費用がほぼかからないため退去立ち会い時の確認作業が円滑になった。

 21年からは管理受託するすべてのオーナーを対象に「原状回復費用保証」を開始。退去時の原状回復費用のうち、貸主負担部分を同社が全額負担する。これにより、同社の費用負担は増えるものの、オーナーとの工事にまつわる交渉時間を削減した。その結果、社員の心理的負担と作業時間の軽減に寄与。

 退去から原状回復完了までの業務が簡略化できたことで、従来、退去後に1〜2カ月あった空室期間が3週間にまで短縮された。さらに、原状回復費用のオーナー負担がなくなることで、設備の入れ替えなど、物件価値向上の提案が受け入れられやすくなった。

 その結果、開始前の20年度と比較して、24年度は管理物件の家賃を約30%上昇することができている。退去立ち合いは原状回復工事業者に外注。ハウスクリーニング費用は間取りに応じて定額化するなどの工夫も行う。

ライフコーポレーションの外観

ライフコーポレーションの外観

一次対応は外注 テキストで可視化

 入居者対応でも効率化を図る。同社には毎月300〜500件ほど、入居者からの連絡が入る。内容は家賃の支払いに関するものから駐車場が止めにくいという相談まで、多岐にわたる。

 20年からは外注のコールセンターを活用。会社にかかってくるすべての電話の一次対応をコールセンターが行うため、社員の受電業務がなくなった。

 さらなる入居者対応の効率化と迅速化を目的として、同年から入居者アプリと電話、メールの連絡手段において、問い合わせ内容をテキスト化。それぞれセールスフォース・ジャパン(東京都千代田区)が提供する顧客管理システム「Salesforce(セールスフォース)」に連携し、一括管理をしている。

 テキスト化した問い合わせ内容はデータとして蓄積。入居者対応のうち緊急性の低い7〜8割ほどは、将来的にAI(人工知能)の自動対応にしたいと考えている。

 同社はSalesforceをコミュニケーションツールと位置付けて運用。取引事業者とのやりとりも「LINE」と併用して同システム上で行い、作業の進捗(しんちょく)などを可視化して管理している。

 業務の効率化は、社員の採用活動でもアピールポイントとなり新卒採用の応募が増えたほか、社員の定着率も上昇。21年度の離職率は10%だったが、24年度は0.3%と大幅に低下した。

 「コンピューターやITツールに任せられる部分は効率化し、社員が対面で人に会い、関係を構築する時間を増やしたい。世間話のように相談できる関係性をつくり、長期目線で温かみのある営業を目指す」と新垣社長は話す。

会社データ

(2025年11月3日20面に掲載)

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