リロパートナーズ、72社グループ入り 管理12万戸【新春インタビュー】

リロパートナーズ

インタビュー|2026年01月02日

リロパートナーズ 東京都新宿区 髙井 健蔵 社長

 リログループ(東京都新宿区)で、資本提携した管理会社の中間持ち株会社となるのがリロパートナーズ(同)だ。これまでに72社がグループ入りし、管理戸数は合わせて12万戸超に上る。「集約」を強みに、採用や教育を全面支援。参画する管理会社が成長できる環境づくりを進めてきた。

「集約」で人材確保・教育支援

売上518億円に成長

 2015年の設立から10周年を迎えたリロパートナーズは、リログループが取得した管理会社の総合的な経営支援を行う。

 売上高は、15年3月期の193億円から、25年3月期には518億円と10年で約2.7倍に伸長。

 子会社や孫会社を含め、グループ化したのは72社。リロパートナーズグループ全体の管理戸数は12万157戸。店舗数は賃貸仲介111店と売買仲介15店を合わせ126店舗に拡大した(25年9月末時点)。

管理戸数推移

 エリアは、大都市圏を中心に、北は宮城県仙台市から、南は福岡県久留米市までをカバーする。グループ会社の管理戸数の規模は、1000戸未満から4万戸までと幅広い。業態も多様だ。賃貸管理会社が主だが、賃貸仲介に強い会社や売買仲介も手がける総合不動産会社もある。

 髙井健蔵社長は「グループイン後の最初の2〜3年は、徹底した『経営の見える化』に注力した。過去のあらゆるデータを集約し、KPI(重要業績評価指数)を軸に分析を進めることで、例えば『管理戸数1戸・工事1件あたりの粗利益率』や『1店舗・1人あたりの収益性』といった指標が明確に可視化される。これにより、グループ各社との比較が可能となり、自社の強み・弱みを客観的に把握。注力すべき領域を明確にした」と語る。

 強みにはさらなる投資をし、弱みがあれば支援することで早期の段階からトップラインを押し上げ、同時に無駄なコストを削減。結果として、売り上げは2〜3割の成長を実現することができるという。

新卒を一括採用

 同社の戦略におけるキーワードは「集約」だ。1社単位でやりきれないような管理会社の経営課題に、グループとして施策を打つ。

 同社の従業員数は1855人(25年4月1日時点)。リロパートナーズとしての従業員は101人。グループ入りした管理会社の人材は同社と雇用契約を締結し、転籍や出向の形で各事業会社に入る。

 グループ人材の確保は同社が一手に受ける。上場企業のグループとしての一括採用を実施。新卒は25年3月期に89人が入社。26年3月期は約100人の採用を計画する。

 「人的資本の部分が一番大事だと考えている。会社の成長にとって人の確保は必須だ。だが、現場の話を聞いている限り、ここ1、2年で人材不足に拍車がかかっている。片手間にやっていても、今は人が採れない。当社では新卒に加え、中途人材も集めている。採用活動を当社に集約することで、事業会社は売り上げを作るための取り組みに力を入れることができる」

 人材教育も集約する。髙井社長は「同じ会社のメンバーだけ集まって研修しても、知った仲間でやることになり、刺激が少ないのが実情。当社は22年ごろから、グループ全体で教育や研修プログラムに力を入れ始めた。さまざまな会社が集まることで、自社にない気付きや緊張感が生まれている」と話す。

 部長以上の上級マネジメントクラス向けの研修を年に1回行い、104人が参加。課長や店長向けには277人が集まってマネジメントの基礎研修を実施。全体の底上げにより、顧客の要望に応えられる人材づくりに取り組む。

 「25年からスタートしたのは、事業者間のドラフト制度。各社で事業を強化したい部分に関して、そこに強いグループのほかの会社の人材に来てもらい、その知見を学ぶ。これまで賃貸仲介に強い会社がそれを武器に管理を伸ばすといった成功事例がある。それを人事交流で実現していく」

他社業務を代行

 グループにとどまらず、グループ外の管理会社に向けた新たなサービスの提供も始めた。

 25年に入ってから、まずは関東エリアを対象に「リロの管理業務サポート」を提供。管理会社がオーナーから受託している業務の一部を、グループのリロパートナーズソリューションズで二次委託するイメージだ。

 管理業務は多岐にわたる。リーシング、修繕工事、集金対応、巡回・清掃、更新・解約といった業務のうち、管理会社が手を放したい部分をカスタマイズして同社で代行する。売買や賃貸仲介をメインにしながら、管理を一部受けているものの手が回っていない不動産会社の利用を想定する。

リロの管理業務サポート

東エリアで管理会社向けの二次管理サービスを開始

 「ニーズや要望をヒアリングしつつ、試行錯誤しながらサービス構築をしている。依頼があればとにかく何でもお手伝いしようというスタンス」

 今後はグループの商圏全体で対応していきたいとし、29年に3万戸での利用を目標とする。

資本提携に意欲

 29年に管理戸数20万戸を目指す中、引き続き資本・業務提携に意欲を見せる。加えて、管理戸数積み増しのために、各グループ会社の成長が必要だ。そのためには「オペレーション型」から「ソリューション型」への変化が必要であるとする。

 「日常的な管理業務だけではなく、物件の資産価値向上について管理会社からの提案を求めるオーナーが増えている。それに対応できるスキルを持つ人材が必要。宅地建物取引士の全社員の取得率は40%以上を維持している。CPM(米国公認不動産経営管理士)の資格取得にも乗り出した。26年3月期に5人の取得を目指し、29年に100人の輩出を計画している」と髙井社長は先を見据える。

社長プロフィール会社データ

(河内)
(2026年1月5日19面に掲載)

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