高齢者の住み替え支援を強化
不動産仲介業の「賃貸住宅サービス」フランチャイズチェーン店舗を運営する兵住(兵庫県伊丹市)は、伊丹店においてリピート客の獲得に注力している。同社が商圏とする伊丹市は、市外からの転入よりも、市内で住み替えをする顧客が多い地域特性を持つという。商圏の特性を背景に、同社は単発の賃貸仲介にとどまらず、継続的な相談につながるよう生涯顧客化に取り組んでいる。
同社の年間賃貸仲介件数は約800件。リピート客を得るために、入居申し込み後の契約業務に重点を置く。賃貸仲介の現場では、申し込み獲得までの営業活動が重視される一方で、契約手続きは定型的な事務作業として扱われがちだ。しかし同社は申し込み後の手続き業務を、将来のリピート客獲得のための重要な業務と位置付ける。書類の不備をなくし、契約・入居に至る各工程の期日を守るようにしている。さらに入居者が抱く疑問や不安に対し、可能な範囲で対応することを心がけている。
既存客との接点維持には、2カ月に1回発行するニュースレターを活用する。ニュースレターは、管理オーナーや過去の成約顧客ら約1500件へ郵送。地域の店舗紹介やスタッフの近況など、親しみやすい情報を発信する。紙面には必ず売り物件の情報を掲載。実際に掲載物件に問い合わせがあり、成約に至るケースもある。
今後は、高齢者の住み替え支援を強化する。高齢者の住み替えは、実家の売却など売買仲介の受託につながりやすいためだ。活用するのは、賃貸住宅サービスのグループ会社で展開する、介護施設紹介サービス「ワントップパートナー」だ。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、利用者の状況に応じて適切な施設を紹介する。
さらに、高齢者が賃貸住宅に入居できる体制づくりにも取り組む。地域の居住支援法人や士業と連携し、見守りや緊急駆け付け、死後事務委任契約などを提供できる体制を構築したい考えだ。家主が安心して高齢入居者を受け入れられるような仕組みが必要だという。
福島秀星社長は「一度きりの仲介で終わるのではなく、結婚や出産、そしてシニア期の住み替えまで、人生の節目に寄り添える不動産のかかりつけ医を目指す」と語る。
兵住
福島秀星社長
(2026年3月23日17面に掲載)





