健美家、収益不動産9万件掲載 会員30万人

健美家

インタビュー|2026年05月08日

健美家 成瀬 亮輔 社長

 収益不動産ポータルサイト(以下、ポータル)「健美家」を運営する健美家は、2025年10月に就任した成瀬亮輔社長の下、利用企業・会員数のさらなる伸長を目指す。掲載物件数は9万件を超え、会員数は約30万人と堅調な拡大を続けている。親会社LIFULLとの連携によるシナジー創出を軸とした差別化戦略に迫る。

ライフルホームズとの連携、寄与

物件数首位、ライト利用が増加

 健美家は、LIFULLグループとしての不動産会社の顧客基盤とビッグデータを生かした成長戦略を描く。同社のポータル健美家は、投資家向けコラムやニュースなどの豊富なコンテンツを強みに、長年にわたり不動産投資家から厚い支持を集めてきた。会員数は約30万人に達し、直近1年間でも新規登録者数は10〜15%増加するなど、堅調に推移している。

 成瀬社長は09年、LIFULLの前身であるネクストに新卒で入社。「LIFULL HOME'S」の賃貸流通領域やアカウントマネジメントなど、営業部門を長年けん引してきた。24年に健美家の取締役に就任し、25年10月から代表に就いた。成瀬社長の下、健美家はLIFULLグループの強みを武器に、会員数およびユーザー数のさらなる拡大を目指している。

 その成果が最も顕著に表れているのが、掲載物件数の大幅な伸長だ。健美家の掲載件数は25年12月末時点で8万9000件と4年で約2倍になった。26年2月には9万件を超え、同社の調査によると、投資用不動産ポータルにおける掲載物件数で首位に立った。

 この成長の背景にあるのが、LIFULL HOME'Sとのシステム連携だ。25年4月から、実需向けのLIFULL HOME'Sに登録した物件情報を、投資向けの「LIFULL HOME'S 不動産投資」および健美家にも連動して掲載できる仕組みを構築した。

健美家のトップサイト

健美家のトップサイト

LIFULL HOME'S掲載物件

LIFULL HOME'Sの掲載物件を簡単に健美家のサイトに掲載できる

 成瀬社長は「貸す、あるいは居住用として売るという選択肢に加え、投資用として出口を探るという多様化が進んでいる。LIFULL HOME'Sの加盟店は、申し込めば登録物件をグループ内の各サイトに連動掲載できるようにした。これまで投資物件を扱っていなかった不動産会社が、1〜3件ほど試しに掲載するライトな利用が増えている」と語る。

 健美家とLIFULL HOME'Sの情報連携により、利用する不動産会社数もデータベース統合前と比較し117%増加した。

グループのデータ蓄積生かす

 ほかの不動産投資ポータルとの差別化において、「二つのサイトによるターゲットのすみ分け」と「圧倒的なデータ蓄積」がポイントだ。

 LIFULLグループでは、区分マンション中心で初心者向けのLIFULL HOME'S不動産投資と、一棟物件や戸建てが多いセミプロからプロ向けの健美家の2サイトを運営している。あえてUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)やブランドを分けることで、ユーザー属性に応じたアプローチを可能にしている。

 さらに大きな差別化点は、LIFULLグループが20年以上にわたり蓄積してきたポータル運用の実績とデータ基盤だ。LIFULL HOME'Sの過去データを活用し、エリアごとの家賃相場や空室率の推移を可視化する「見える賃貸経営」を無償で提供している。「長年蓄積してきたデータをAIと掛け合わせることで、投資家に有益な分析を提供しやすくなる。実需の募集賃料など膨大なストック情報を生かし、投資判断を支援できる点は当社ならではの強みだ」

 物件価格の上昇で収益不動産の利回りが低下傾向にある中、インカムゲインだけでなく売却も含めた総合的な判断が求められており、精緻なデータ提供の重要性は一層高まっているとみる。

現場主義の組織づくりを重視

 成瀬社長が就任後、中長期的な方針として特に力を入れているのが「不動産投資業界の透明性向上」だ。投資用不動産を個人の資産形成の選択肢として定着させるため、投資家への情報提供に加え、不動産管理会社の教育にも注力している。

 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会などの業界団体において、専門的な知見を提供する立場で資格制度の構築に携わっている。将来的には金融機関との連携も視野に入れ、不動産投資業界全体をクリーンで健全な市場へと引き上げたい考えだ。

 社内体制や組織づくりにおいて、成瀬社長が最も重視する価値観が「明るく、楽しく、元気よく」だ。役職就任前から10年以上掲げてきたモットーで、常に周囲へ前向きな影響を与えることを重んじている。

 組織運営では、現場の声を迅速にサービス改善へつなげるボトムアップの姿勢を徹底する。

 「役員から現場まで、直接対話する機会を大切にしている。顧客からの要望や社員が抱える不安をシンプルに受け止め、すぐに改善するスピード感を最も重視している。毎週社員と直接対話し、現場の課題を解消することがサービス向上と社員満足度につながる」と語る。

 健美家の強力な投資家コミュニティーと、LIFULLグループのデータ基盤。この両輪を回しながら、成瀬新社長のスピード感ある経営の下、健美家は不動産投資プラットフォームとしてさらなる飛躍を目指す。

(河内)
(2026年5月4日20面に掲載)

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