資材高騰の直接的な影響を受けるのが、工事事業者や職人だ。大阪府や東京都を中心に賃貸住宅の大規模修繕工事を多く手がけるアローペイントでも、資材の供給不安や価格改定を受けて一部の工事について工程調整を行っている。
塗料7割値上げも
工程調整が発生しているのは、屋上防水や外壁塗装といった工事だ。防水に使うシンナー系の塗料のメーカーからの供給が不安定になっているためだ。
同社では3月16日、大手塗料メーカーから塗料の値上げの通知を受けた。通知があった16日の午後5時以降の出荷分から価格変更が適用となった。中には75%の値上げとなった商品もあるという。
アローペイントの染矢正行社長は「注文時点ではなく出荷時点で価格変更となるケースもあり、従来の調達や見積もりの考え方では対応が難しい状態が発生した」と話す。
3月末には、一部の資材で発注後も納期が未定という状況となった。同社では、資材供給が不安定な局面では価格の変動幅が大きくなるため、価格の妥当性を共有することが重要だと考えているという。
一部資材については時価ベースで工事価格の提示を行い、市況の変動を反映しながら価格の透明性を確保。供給状況が通常の状態に戻ったときに円滑に着工できるよう、顧客である賃貸住宅オーナーらと計画の調整を進めている。
資材の供給不安は、工事事業者や職人への影響も出ている一方で、工事・建設業界全体で修繕手法や価格設計の見直しが進む可能性もある。「今回の状況は業界全体の課題だと考える。一方で、こうしたタイミングだからこそ、価格変動に左右されにくい新しい修繕の仕組みや計画的な修繕の考え方が求められると感じている。当社としては、お客様への影響を最小限に抑えながら対応を進めていきたい」(染矢社長)
アローペイント
染矢正行社長
(2026年6月8日2面に掲載)





