建築受注へつなげる
愛知県を商圏に約1万2000戸を管理する貝沼建設は、新規オーナーからの管理の受託強化を進めている。低価格の管理プランを入り口商品とし、管理受託から建築提案へつなげる戦略だ。2024年の開始から約2年で新規オーナーから250戸以上受託しており、オーナーとの接点拡大の成果が出始めている。
同社では従来、建築受注の多くを既存オーナーから獲得していた。しかし近年は新規開拓にも注力している。
以前は既存8割、新規2割だった受注比率が、現在は既存6割、新規4割まで拡大した。背景には、管理受託を入り口とした関係構築施策がある。
特に力を入れているのが、管理料の低価格プランだ。通常より安い水準の料金で2年間限定の契約をし、3年目以降は通常の管理料へ移行する仕組みを採用する。
宇山公一郎社長は「まずは当社を知ってもらうことを重視し、長期的な関係構築につなげている」と話す。
同プランの開始初年度には約200戸、26年度は現時点で約250戸を受託。見込み数を入れると300戸になるという。取引オーナー数も45 人増加した。管理受託後は、オーナー資産の分析や相続対策提案を行い、建築受注へ発展させている。
同社の特徴は、建築・管理・相続対策を一体で提案する点にある。
社内では独自の資産分析ツール「貝沼A・M・I(アセットメディカルインスペクション)」を活用。保有物件ごとの収益性や課題を診断し、オーナーごとに改善提案を行う。
建て替えや土地活用だけでなく、事業承継や遺言、家族間調整まで踏み込む。
「オーナー資産を次世代へどう継承するかまで含めて支援することが重要と考えている。管理を入り口に長期的な関係を築きたい」(宇山社長)
金融機関や士業、不動産会社との連携も強化している。自社開催セミナーや紹介ルートを通じてオーナーとの新規接点を増やし、今後は年間1000戸の管理戸数増加を目標とする。
貝沼建設
宇山公一郎社長
(2026年6月22日2面に掲載)





