豊富な在庫体制に強み
賃貸住宅における設備の修理・交換業務は、管理会社にとって手間のかかる業務の一つだ。大問屋(東京都大田区)が展開する「まるなげ管理」は、同社が管理会社に代わって入居者とのやりとりから現地調査、見積もり、施工、完工報告までをすべて一括して行うため、管理会社は文字通り業務を〝丸投げ〞できる。
特に同サービスの大きな強みが、事前の現地確認による設備情報のデータベース化だ。空室時などに物件を現地訪問し、給湯器やエアコン、コンロ、レンジフード、トイレ、浴室設備などの型番や設置状況、交換する際の施工条件などを画像付きで登録し、データとして蓄積。設備トラブル発生時には、その情報を基に迅速に見積もりや施工手配を行うことができる。
賃貸住宅では、同じ物件内でも部屋ごとに設備仕様や施工方法が異なるケースも少なくない。特にデザイナーズ物件などは、設置条件が部屋ごとに違うこともあり、単に機器情報だけを把握していても対応できないことがある。同社は施工経験を持つスタッフが現場目線で確認を行うため、「現場に行ったら設置できなかった」という事態を防ぎやすいという。
同社が設備状況を把握している賃貸住宅は約1万戸。「まるなげ管理」によって年間1500〜2000件規模の賃貸住宅向け工事を手がけている。
さらに管理会社から評価されているのが、入居者対応の品質だ。同社では、一般消費者向けリフォーム事業を経験したスタッフが対応しているため、単なる工事事業者ではなく、機器説明や日程調整なども含めた接客対応ができるのが強みだ。
全国約60店舗の直営ネットワークと豊富な在庫体制も特長となる。給湯器やエアコンなどの主要設備を各拠点に常備しており、緊急性の高い案件にも迅速に対応することができる。「年間数万件規模の施工実績を背景に、必要な在庫を各地に分散保有している。そのため他社では1週間後と言われた工事に翌日対応できたケースもある」(林翔吾副社長)
近年は設備故障による家賃減額リスクへの意識も高まっている。これを受け、給湯器などを1棟単位で予防交換するオーナーも一部で増加。同社では今後、補助金活用を含めた設備更新提案にも力を入れていく考えだ。
コロナ下の給湯器不足に対応
大問屋は、大手リフォーム会社・ニッカホーム内の事業部としてスタートした。住宅設備機器交換を専門に扱う中で、より仕入れや在庫管理を強化するために分社化された経緯を持つ。
もともと同社は、一般消費者向けに折り込みチラシを活用し、住宅設備機器の交換サービスを展開していた。その中で、賃貸管理会社や不動産オーナーからの依頼が増加。特に新型コロナウイルス下で給湯器不足が深刻化した際、豊富な在庫を持つ同社に法人案件が集中したことが、この「まるなげ管理」を立ち上げるきっかけになったという。
大問屋
林翔吾副社長
(2026年7月6日6面に掲載)





