年間600件の賃貸仲介を行うディライトは、2020年ごろから大手ポータルをSUUMOに集約。広告費を集中的にかけ、出稿内容の精度を高めることで反響率が3年間で1.5倍になった。
顔写真入り店舗紹介で差別化
22年9月末時点での賃貸仲介店舗は1店舗。全従業員の5人で、営業とポータル出稿業務を担う。
全体の集客のうち、9割がポータル経由だ。メインで利用するポータルはSUUMO。同社が加盟するピタットハウスネットワーク(東京都中央区)のポータル「pitat.com(ピタットドットコム)」も利用する。
出稿方法は、ピタットハウスネットワーク提供の基幹システムを利用。システムに登録した物件情報がSUUMOと連動し、自動出稿される仕組みだ。
SUUMOへの年間出稿件数は、約1300件。年間の出稿費用は350万円程度だ。
年間の反響件数は1554件で、このうち約89%がSUUMOからの反響となる。反響来店率は40%だ。
松永泰一社長は「もともと、大手ポータル5種類を利用していたが、20年ごろから、反響率に対する費用対効果を見ながら徐々にSUUMOへ絞り込んだ」と話す。
SUUMOは、オプションで購入した掲載枠への情報入力が点数で評価される。掲載物件が競合した際、上位に表示される基準値36点以上の獲得を目安に出稿している。
ディライト本店の接客スペース
ただ、他社も掲載枠購入のための課金は当たり前に行うため、同社はさらなる差別化策を図る。松永社長は「SUUMO上に表示される店舗紹介ページの充実を図っている。顧客に安心感を与える工夫を施し、来店につなげている」という。
ポータルの物件情報の一部に、店舗紹介コーナーがある。ここに、スタッフの顔写真や自己紹介、趣味についてもコメントを記載し、安心感や親近感を与える効果を狙う。自社サイトへの動線もつくっているという。ページを見て来店した顧客から、「旅行が趣味なのですね」とスタッフが話しかけられることもあったという。
SUUMO上の店舗紹介イメージ。スタッフの写真やコメントを充実させている
今後のポータル集客の方針について松永社長は「一つのサイトに一点集中で広告費をかける方法で、反響率を高めることに成功した。次はこの反響をいかに来店につなげるかに注力していきたい」とコメントした。
ディライト
富山市
松永泰一社長(49)
(2023年2月20日4面に掲載)