法人向けのリロケーションサービスなどを行うリロ・ホールディング(東京都新宿区)は、賃貸仲介管理事業を行う会社に対してM&Aを進めていく。
プロジェクト名は「新 共存共栄事業承継」。賃貸管理会社からの希望があれば対応する。最大の目的は、管理会社を傘下にすることだ。主軸業務である法人の住宅関連の福利厚生へのサービス提供や海外赴任・海外生活のサポートサービスに向けた法人向け物件紹介などの事業を拡大することにある。
同グループ企業で社宅管理業務などを行うリロケーション・ジャパンの岩尾英志社長は「近年、特に地方の管理会社で後継者不足に悩んでいる経営者が多いと聞きます。そういった企業に対し、同グループに入ってもらうことで、事業を継続していけるように、双方の利益に結びつく企業の在り方を共に見つけ出していきます」と語る。リロ・ホールディングにとっては地域で信頼のある管理会社の物件を提供し、全国に広がる転勤者の法人ニーズを満たすことができる。一方、傘下に入った管理会社側も、リログループのクライアントである法人顧客を獲得できるのだ。
今回の計画では全国を7ブロックに分け、それぞれのブロックに本拠地をおく地方の管理会社がリログループに入ることを目指す。
同社は2010年に東都(東京都狛江市)をM&A。東都は当時営業利益が3・9億円だったが、2013年3月期の営業利益は7・7億円と倍増。同社の支援事業が奏功しているようだ。東都の黒崎修社長は「リロ・ホールディングは法人顧客をメーンとしており、入居者が個人客中心の対法人の接客ノウハウを学ぶことができました。企業理念に共通点があったことで、M&A後も違和感がなく業務を続けています」と話す。
同プロジェクトに今後5年間で200億円を投下する予定だ。M&Aの加速で地方での存在感を増し、今後10年間で社宅管理40万戸を目指す。