新電力会社であるPinT(ピント:東京都千代田区)は、創業から約2年が経過し、電気契約件数約33万件、管理会社の提携社数が約80社に到達した。
約2年で33万戸の電気供給
同社は、賃貸管理会社向けに『PinT with賃貸』を提供。顧客情報や電気供給場所の管理、契約更新・変更・解約手続きをWEB上で一元管理できるため、取り次ぎを行う不動産会社の手間を省くことが可能だ。創業時の目標は、2020年中に契約件数150万件。目標への進捗率は20%強ではあるものの、同社の田中将人社長は「手ごたえを感じている」と話す。新電力会社の契約件数は1万~3万件であることが多い中で、創業2年弱で約33万件の契約件数は異例の数字と言えるからだ。営業効率を高めるために、エンドユーザー向けの展開をしていないことが大きな理由と言える。
同社は、賃貸管理会社向けにサービスを提供。元から地域の顧客基盤を持っている企業と提携することで営業効率を高めている。管理戸数5000戸以上を目安に直接提携し、企業規模が小さい場合は他の会社を通して提携することでさらに営業効率を高めている。例えば、19年12月に発表したイタンジ(東京都港区)、大崎電気工業(東京都品川区)との3社提携では、イタンジの持つ管理会社の顧客基盤を活用。イタンジを通じ、管理会社と提携できる。同時期に開始したLPガス会社との提携では、ガス会社の持つ不動産会社の顧客基盤を活用することで、PinTの供給可能戸数を増やす狙いもある。