リロケーション・ジャパン(東京都新宿区)とリロ・フィナンシャル・ソリューションズ(東京都新宿区)が開発した個人向け転貸サービス「満転」が好調だ。家賃滞納と貸主・借主双方の退去時原状回復工事費用の保証を商品化した。入居一時金が減少しつつある中、敷金に代る役割を果たす商品として提案している。
「敷金は賃貸経営上のリスクに備えるためのもの。減額するのは不安だという貸主の声を受け、3年ほど前から商品化を検討してきました」(リロ・フィナンシャル・ソリューションズ商品開発チーム吉井昭仁チームリーダー)
リロケーション・ジャパンが貸主から物件を借り上げ、借主に転貸する。法人向けに展開している「リロ補償」を個人向けに応用した。転貸手数料として募集賃料の8%から10%を毎月徴収する。手数料は貸主と借主双方で負担するが、賃料相場や地域性を考慮し、物件の競争力を損なわぬよう管理会社と相談し決定する。
「満転」の最大の特徴は、故意・重過失による修繕が発生した場合を除き、貸主・借主双方とも退去時に原状回復費用を請求されないことだ。貸主は費用負担をめぐる借主との紛争を回避できる上、工事費用の支払いを毎月の手数料として平準化できるためキャッシュフローを安定化できるメリットがある。
原状回復費用の支払いリスクは、エース損害保険と協力し、保険によってヘッジする仕組みを構築した。通常、原状回復工事費用の支払いリスクを保険化することは難しいといわれているが、法人向け転貸で蓄積してきた約5万件に上る原状回復実績が生きた。
「詳しい仕組は申し上げられませんが、ポイントは、何を事故とみるかの判断と、法人向け転貸事業で積み上げた9年分のバックデータ。保険があるからこそ商品化できました」(リロ・フィナンシャル・ソリューションズ石田吉徳社長)
滞納賃料の保証と集金代行も商品に組み込んだ。万一、明渡し訴訟に発展した場合も、リロケーション・ジャパンが貸主なので家主から委任状を取得する必要がなく、スムーズに訴訟に移行しやすい。
昨年秋ごろからリロ・フィナンシャルが中心になり営業を開始。法人向けサービス「リライアンス」の取引先管理会社を中心に提案し、すでに21社で導入が決まっている。これまでの法人向け転貸サービスと同様の業務フローにしたため、管理会社も受け入れやすいようだ。「繁忙期明けにはさらに導入企業が増えそう」(リロ・フィナンシャル・ソリューションズ商品開発チーム 黒川泰幸氏)と、営業の現場では手ごたえを感じているという。





