シェアハウスの需要高まる

商品|2009年12月21日

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リノベーション事業で若者から支持を得るブルースタジオ(神奈川県川崎市)は12月、同社初となるシェアハウス「下北沢pinos」(東京都世田谷区)を完成させた。12月上旬に行われた内覧会・オープニングイベントにはのべ約50組が来場。予想以上の反響に関係者を驚かせた。

築40年、木造2階建てのアパートをシェアハウスに改装した。元々は風呂・トイレ共同の下宿用住宅。戸数を減らして専有部に水周り設備を導入するよりも、そのままの間取りを生かしシェアハウスとして再生した。賃料は7万5000円から8万5000円。周辺のワンルームマンションとほぼ同程度の設定だ。

シェアハウスとは、バス・トイレ、キッチンなど水周り設備が共用の集合住宅。共用のリビングが設けられているのが特徴だ。他者とのコミュニケーションが、既存の賃貸住宅にはない付加価値となり、日本人の若者層を惹きつける。

認知度上昇と同時に、都心部に建つ物件の増加と家具・デザインの高級化が進んでいる。賃料も通常の単身者向け賃貸物件と変わらぬ水準まで上昇している。

首都圏で4棟200戸のシェアハウスを企画・運営するグローバルエージェンツ(東京都渋谷区)が扱う物件は、周辺相場よりも2割ほど高く賃料を設定しているものが多い。7月にオープンした恵比寿の物件は、共益費込みで10万から15万円。単身者向けとしては高額な部類に入る。

「事業をスタートした5年前はゲストハウスやシェアハウスでの生活経験者の住み替えがメーンでした。しかし最近は一般賃貸からの転居者の割合が増加しています」(山崎剛社長)

入居者層の8割は20代から30代前半の若者。うち9割が社会人だ。

同社は、恵比寿や表参道など、4棟130戸がオープン向けた動きを開始している。

若手不動産投資家も、シェアハウスの収益性と若者からの人気度の高さに目を付け始めている。

シェアハウス運営を目的に中古社員寮を購入した渡邉卓也オーナーもその一人。「アパマン留学」をコンセプトに、外国人と日本人の共同生活をプロデュースしている。

日常的に英語を取り入れるべく、入居者の3分の1は外国人とあらかじめ定めた。日本人入居者も留学希望者やワーキングホリデーを希望する社会人の受け入れを積極的に進めている。賃料は共益費込みの9万2000円。英会話教室の授業料はおよそ月額1万5000円。それに周辺ワンルームの相場賃料を足した金額だ。やや割高だが、満室で稼働している。

最近は地方都市での事例も出てきた。新たな住まいの形態として、シェアハウス市場は今後も拡大しそうだ。(12月21日号、28日号合併号)

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