総額4億7000万円強の支払い求める
大手サブリース会社・レオパレス21(東京都中野区)を相手取る裁判が始まった。
オーナー128人が同社の家具・家電のメンテナンスサービスに対する支払い済み費用の返金に相当する家賃の支払いなどを求める訴訟の第一回口頭弁論が14日、名古屋地裁で行われた。
裁判は長期化すると思われるが勝訴となった場合、ほかの家主も請求を申し立てるなど、波紋が広がりそうだ。
訴訟を起こした原告団はレオパレス21で賃貸住宅を建築した全国28都道府県のオーナー128人だ。
請求総額は4億7000万円を超える。
一人当たりの平均は680万円程度、最高額で約1600万円を請求しているオーナーもいる。
争点になっているのは、賃貸住宅の室内に設置している家具・家電のメンテナンスサービスだ。
原告側は家具・家電の入れ替えが契約どおりに履行されてないことなどから、同社が不当に利益を得ていると主張。
返金を求めているメンテナンスサービスの費用が、同社がオーナーに支払う家賃から差し引かれていたため、『未払家賃等請求事件』として訴状が提出された。
原告側はレオパレス21とサブリース契約を結ぶオーナーらが作ったLPオーナー会のメンバーが中心だ。
第一回の口頭弁論は、本格的な議論に入る前の訴状内容の確認と、被告側の答弁内容の確認を行った。
傍聴席にはオーナー約30人とレオパレスの社員らなど関係者でほぼ満席だった。
被告側の答弁書の内容は主に2つ。
1つは、原告側128人のオーナーのうち、訴状提出後に亡くなった人と、認知症が発覚した人の訴えを取り下げるかどうかの判断を問うもの。
2つめは、今回の原告側は名古屋地裁の管轄外である県外居住者も多いことへの指摘だった。
この内容に対しての返答は後日、書面提出となるが、原告らの訴訟代理人を務める澁谷歩弁護士は「各地域で裁判を行うのは時間や費用がかかり現実的ではない」と、一括した審理を求める姿勢だ。
次回は弁論準備手続きを4月24日に行う。
判決までに1年以上かかる長期戦になるようだ。
LPオーナー会の前田和彦代表は「全面勝訴を目指したい。大手企業としてオーナーとの信頼関係を損ねるような行為に憤りを感じている」とコメントした。