積水化学工業(大阪府大阪市)が賃貸住宅と自宅を一体化させた商品の販売活動を本格的に開始する。3月6日から新たな賃貸併用住宅商品「はたらくわが家」の全国発売に乗り出す。
同社は2000年に3階建ての賃貸併用住宅商品「ライフプランニングデジオ」を開発。首都圏・近畿圏を中心に販売活動を行っていたが、「はたらくわが家」は営業網を広げ、全国の地方中核都市(北海道・沖縄一部積雪地域を除く)でも営業活動を展開する。「ライフプランニングデジオ」のこれまでの受注実績は年間70棟前後。2009年度の「はたらくわが家」の受注目標はこの倍以上の150棟を目標としている。
「住宅の新築・建替え需要が激減していますが、ネックになっているのは消費者の景気に対する不透明感と収入源などの経済的な問題がその大きな要因となっています。賃貸併用型であれば、賃貸住宅から得た収入をローン返済に充てることで住宅購入費用を削減することが可能です。消費者が抱える経済的な問題を解消することで、新築・建替え需要を喚起できるはずだと考えています」(住宅事業部集合住宅担当部長 石井操氏)
「はたらくわが家」の特徴はその名の通り、自宅に賃貸スペースを併設することで副収入を得ることが可能な点だ。
賃貸スペースの間取りには家主が選択可。家主の家族構成の変化などに応じて、賃貸スペースの増設や自宅スペースの拡大などの改築も対応可能だ。管理は基本的に同社のグループ会社セキスイハイム不動産が行う。サブリースにも対応しており、家主は安定的に収益を得られる。
また、大型屋根に太陽光発電システムを搭載して余剰電力の売電することも可能。一般的に新築住宅の場合、太陽攻発電システムは15~20年ほどで取り付け費用などを償却できるという。
同社の住宅展示場などを中心に展示場スタッフと集合住宅の営業マンが連携して同商品の販売活動を展開していく方針だ。販売価格は1坪あたり55万円~(太陽光発電システムの搭載費用は含まず)である。
「当商品のターゲットとなるのは、建替えに躊躇している40~60代、地元を離れず老朽化した家にすみ続ける70代以上、低価格の新築住宅を検討している20~30代の3者です。主に建替え需要は首都圏で、新築需要は地方中核都市で多いと踏んでいます」(前出・石井氏)