茨城県で約1万8000戸を管理する香陵住販(茨城県水戸市)は、11月28日に都内で2019年9月通期の決算説明会を開き、リースバック事業やクラウドファンディングによる不動産小口化商品などに取り組む方針を示した。
不動産小口化の取り組みも開始
リースバック事業は、売り主の所有不動産を同社に売却。同社が売却代金を売り主に支払う。その後は両者間で賃貸借契約を結び、同社は買い取った不動産をそのまま売り主に賃貸。売り主は毎月の家賃を支払いながら売却した不動産に住むことができる。
10月に担当部署となる営業推進室を設置した。これまでも同社には老後の生活などで持ち家の売却相談も寄せられていたが、薄井宗明社長は「経済的事情などから本心は持ち家から出たくないということも多い。当社が適正な価格で買い取り、賃料をいただいて住んでもらうことで、引っ越しや近所関係、資金など、対外的にも経済的にも課題解決できる」と話した。
またクラウドファンディング(CF)による不動産小口化商品の新規事業にも取り組む。地元の不動産市場の活性化を図るとともに、新規顧客を獲得し、小口投資を入り口に将来的な現物投資へ育成していくことで、管理物件を増やしていく。
19年9月通期決算は、売上高が62億4800万円で前期比17・3%増、経常利益が5億6200万円で同11・5%増、純利益が3億7100万円で同13・4%増と、上場以来3期連続で増収増益となった。
20年9月期は売上高68億4200万円の同9・5%増、経常利益5億9000万円の同4・8%増、純利益4億1400万円の同11・7%増を見込む。期末管理戸数1万9000戸と940戸の上積みを目指す。