家賃債務保証大手のリクルートフォレントインシュア(東京都中央区)は7月15日、同社が提供する家賃債務保証商品の保証料を改定することを発表した。新料金への改定は10月から。契約時の初回保証料を従来の月額賃料の50%相当額から100%相当額に引き上げる。同時に、事務取扱手数料を5%に改定する。
同社は料金改定の理由として、秋の臨時国会で成立すると見られている新法への対応、景況悪化による家賃滞納の増加と訴訟コストの増加、家賃単価下落による保証料単価の下落などを挙げている。また、公認会計士協会から初回保証料を一括売り上げ計上方式から期間按分計上へと変更すべきと指摘されていることも理由としている。
昨年から今年にかけて、家賃債務保証会社が事実上保証料を値上げする動きが続いている。全保連は5月から「初回保証料は月額賃料の80%・年間保証委託料なし」と「初回保証料は賃料の50%、年内保証委託料10%」に改定。ジェイリースも昨年末に保証人の有無にかかわらず月額賃料の80%へと変更。レントゴー保証は、手持ちカードで家賃決済できるサービスで保証料を月額賃料の100%に設定している。
背景にあるのは、賃貸住宅居住安定法案への対応だ。システム対応、督促時の法令遵守の一層の強化など、保証会社ははさまざまなコスト負担が生じると見られる。また、各社の料金設定は破たんしたリプラスの保証範囲や料金設定を基準にしたものが多く、「料金と保証内容がつり合っていなくても、競争上、高い保証料を設定することができなかった」(保証会社関係者)という事情があった。財務基盤を安定させるためには保証料の値上げが必須との見方もあり、この機会に収益構造を是正する狙いもあると見られる。今後値上げを検討する保証会社もあることから、この動きはしばらく続きそうだ。