公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会(東京都千代田区)は9日、「不動産の公正競争規約研修会」をオンラインで開催した。参加者は174人に上った。初心者向けに、規約の全体像を把握してもらうことが目的という。
174人に基礎知識伝える
研修では、不動産の「広告」に該当する表示規約と、「キャンペーン」に該当する景品規約を規制する公正競争規約について解説。規制ルールが存在する理由をはじめ、規制の対象となる広告媒体や物件、キャンペーンで提供できる商品の限度額などが細かく定められていることを周知した。
不動産の公正競争規約とは、不動産業界で定めた自主規制。全国9地区の不動産公正取引協議会が同じルールを運用する。この規約は、不動産の広告と不動産業におけるキャンペーンなどで取り扱う景品について規制している。目的は、一般消費者の利益保護、不動産事業者間の公正な競争を確保するためだ。
同規約は、次の2つの法令に基づいて作成したものだ。それが、消費者庁が所管する『不当景品類及び不当表示防止法』。もう一つが、国土交通省が所管する『宅地建物取引業法』だ。なお、『宅建業法』は第32条から第34条の条文の盛り込みとなる。
今回の研修では、SNSを使った広告・キャンペーンについても説明があった。近年はSNSを使った広告が増えている。気軽に投稿できるツールである半面、SNSでも規制対象に入るため注意が必要になる。講義終了後、内容確認の振り返りテストを実施。参加者の理解をより深めた。
事務局の島田道代主事は、「21年2月開催予定の研修で、違反事例を盛り込み具体的なポイントを取り上げたい」と話す。
(12月21日2面に掲載)
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