消費者庁(東京都千代田区)は9日、サブリース事業者に所有物件を借り上げてもらう際に行うマスターリース契約について、締結を検討している家主向けの注意喚起資料を作成し、公表した。
家主向けに公表
マスターリース契約は特定賃貸借契約とも呼ばれ、家主とサブリース会社が取り交わす契約だ。家主からマスターリースしたサブリース事業者は、次に借り上げ物件を第三者に転貸する。この転貸借契約のことをサブリース契約と呼び、マスターリース契約と明確に区別している。
注意喚起資料では、マスターリース契約を検討する際に気を付けたいチェック項目を4つ挙げている。「契約期間中や契約更新の際、賃料が減額される可能性があることを知っていますか?」「契約期間中でも契約が解約される可能性があることを知っていますか?」「原状回復費用や大規模修繕費用は原則、オーナー負担であることを知っていますか?」「契約締結前に重要事項の説明、契約締結時には書面の交付があることを知っていますか?」と続いている。
注意喚起資料には、チェック項目の詳しい解説、その他注意点、最後に相談窓口が記載されている。
マスターリース契約は、入居にかかわる煩雑な業務をサブリース事業者に委託できるメリットがある一方で、想定外の損失が発生するリスクもある。
(12月21日3面に掲載)