初期費用3万円で物件間の移動を無料でできる定額型住居サービス『クロスハウス』を運営するクロスハウス(東京都渋谷区)はこのほど、国際人材紹介事業を行うマリモホールディングス(広島市)と業務提携した。今後は相互に抱える外国人顧客に対して、「住居」と「仕事」を提供し合う。
人材紹介のマリモHDと業務提携
提携は住居と仕事を同時に提供してほしいという外国人顧客のニーズを受けたもの。2021年1月に求職希望の外国人向けに2社合同でセミナーを開催する予定だ。
クロスハウスの対応言語は日本語、英語、韓国語、中国語で、今後ベトナム語も加わる予定だ。一方、マリモホールディングスでは、タイ、インドネシア、マレーシアからの人材が多く、クロスハウスにとってはこれまでリーチできていなかった国に対して販路を広げる狙いもある。
クロスハウスは東京都内を中心に関東で約400物件5000室を管理。そのうち約300物件4000室が、シェアリビングがなく水回りのみ共有で、鍵付きの個室にテレビや冷蔵庫、ベッドが標準装備された「シェアドアパートメント」だ。約100物件は、空き家を同社で借り上げ、リノベーションしてシェアハウスとして運営している。家具家電付きアパートメントも38室ある。
全物件に電子錠を導入し、物件探しから契約までをウェブ上で行えるため、転職や就職、学校の入学などによる国内の利用に加え、海外からの留学生などのニーズも多い。また、個人だけでなく企業の社宅としても利用されている。コロナ禍で、海外からの問い合わせや入居者が減少する一方で、固定費削減を目的に、一般賃貸の寮や社宅からクロスハウスのシェアハウスへ住み替えする案件が増えたという。
マリモホールディングスは、不動産の開発・仲介・投資事業などをメインとしながら、不動産の枠を超えた事業多角化を進めており、IT関連事業や教育関連事業、国際人材紹介事業などを行う。
(1月4日44面に掲載)
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