映像や360度カメラで撮影した写真で室内を案内するバーチャル内見サービスの利用が、コロナ禍以降急増している。リコー(東京都大田区)が販売する360度カメラ『THETA(シータ)360・biz(ビズ)』は、2020年の契約数が8000社となり、19年から5割増加した。そのうち6割を占めたのが不動産業で、さらにその半数が賃貸系の不動産会社だった。ナーブ(東京都港区)が提供するバーチャル内見システムの物件掲載数は200万戸となり19年の4倍に増え、システム導入店舗は5000店に達した。
リコー、シータの契約5割増、うち6割が不動産
ナーブ、掲載物件数200万戸、19年の4倍に
撮影したバーチャル内見データは、ウェブサイトでの掲載、オンライン商談での利用、問い合わせに対するメールへの添付などにより、実際の内見につなげるのが一般的だ。一方で、入居者が居室を見ることなく、バーチャル内見だけで契約する事例も増えている。ナーブによれば、サービスを提供する不動産会社において、緊急事態宣言が発令された1月、実物を見ることなく契約に至った案件は、20年同月の10倍に増えた。