高齢者用の施設や住宅を運営するライフケア・ビジョン(大阪市)が、元気な高齢者を対象とする賃貸マンションの入居者に向けたアプリを開発した。提供開始は5月中旬。入居者専用のSNS機能を備え、施設内でのイベント予約、地域の店舗や求人に関する情報の取得、日々の困り事相談ができる。入居者の孤立を防ぐため、オンラインとオフラインで、他の入居者や地域住民との交流、社会参加を促す。
2020年12月にオープンした『シニアアップデートマンション〝Life Care Suita〟(ライフケアスイタ)』の入居者向けに開発したものだ。全42戸の8階建て賃貸マンションで、高齢者が安心して1人暮らしできるような設備やサービスを備えた。
浴室と寝室には、入居者の動きをモニタリングする非接触式センサーを設置した。異常を検知すると、音声通信が、同社が運営する近隣の見守りセンターに自動で接続され、安否確認や緊急搬送の手配を行う。浴槽には、溺死を防止するために、異常を検知すると自動排水するシステムを備えた。
「自立した生活ができるにもかかわらず、1人暮らしの不安から老人ホームに入居する人は多い。元気な高齢者が安心して生活できる住まいを開発した」と新規開発事業部の近藤量行部長は話す。同社は現在、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を22棟908室運営しており、今後は『シニアアップデートマンション』シリーズの開発を進め、5年で10棟400室の供給を目指す。
(4月12日3面に掲載)