奈良県生駒市は、空き家活用促進のために、空き家を借りたい人の思いを家主に届け、マッチングするプロジェクト「恋文不動産」を5月から開始した。その一環として10月に空き家の家主が参加し、借りたい人と直接会話ができる見学会を実施している。
家主と話せる物件見学会
同プロジェクト用に、市内に物件を所有し安価で貸すことに同意する家主を募集したところ、3物件が登録に至った。
対象の物件はすべて住宅地にあり、空き家を活用する内容に制限があることから、「子どもがアートに触れられるアトリエ」や「地域住民と交流しながら起業を目指す学生向けオフィス」としての利用などを想定している。
物件見学会は、8、10、22日の3日間で、各回とも10~12時を予定している。定員は抽選制で各回10人程度。
物件を見学しながら、家主からは使い方の希望や近隣との関係などを聞き、市の職員や建築士からは地域や建物に関する情報が得られる。
物件見学会への参加者は、11月30日までに空き家の活用内容をエントリーする。その後、12月中旬に家主が活用候補者を決定するスケジュールとなる。
同市は次年度以降も同様のプロジェクトを継続する予定だ。
同市が2016年度に実施した「空き家等実態調査」によると、空き家の総数は1444棟で空き家率は2.8%だった。同プロジェクトは、地域のためになる活動であれば空き家を安く貸し出してもいいという空き家所有者が、アンケートにより一定数いることがわかったことから企画が実現した。
特定企業との提携はせず、空き家所有者や活用者から建築士や宅建士の紹介を求められた場合は、空き家対策で連携している事業者を紹介する。
(2022年10月10日18面に掲載)