VR(仮想現実)制作クラウドソフト「Spacely(スペースリー)」を展開するスペースリー(東京都渋谷区)は6月22日、不動産関連システムの開発を行うリアルネットプロ(東京都新宿区)が展開する業者間流通システム「リアプロ」との連携を開始した。空室物件の情報の充実化において、リアプロ会員にメリットをつくり出す。
物件情報の充実化で流通促進
Spacelyは賃貸・売買物件の撮影データから360度パノラマコンテンツが簡単に作成できるクラウドソフトで、2013年より提供を開始。累計7200アカウントを発行している。賃貸仲介においては、各部屋の内装や広さが把握しやすくなることで反響数や成約率の向上に寄与。入居検討者がどの部屋をどの程度閲覧したかがわかる機能もあり、反響獲得後の追客にも活用することができる。
リアルネットプロが08年より提供するリアプロは、管理物件の入退去管理ができる管理会社向けシステム「リアプロ管理」と、客付け可能な物件情報の閲覧や資料ダウンロードが無料でできる仲介会社向けシステム「リアプロ仲介」で構成される。利用する管理会社は、23年7月12日時点で3231店舗、仲介会社は4万3245店舗。リアプロ管理を使う管理会社は、Spacelyで作成した360度パノラマコンテンツをリアプロ仲介に掲載することができるようになる。
Spacelyとリアプロの双方を利用する企業の管理戸数は約50万戸と見込まれる。スペースリーの森田博和社長は「今後、製品開発の土台を3D(3次元)コンテンツに移行し、さらなる物件情報の充実化を進めていく。あわせて撮影業務の効率化も追求し、不動産会社の集客および利益につながりやすい仕組みの構築を目指す」と話す。
スペースリー
東京都渋谷区
森田博和社長(42)
(2023年7月24日8面に掲載)