不動産の有効活用とエネルギー創出を軸とした事業を推進する、いちご(東京都千代田区)の100%子会社である、いちごオーナーズ(同)。いちごオーナーズは不動産オーナーのための会社として、一棟不動産の販売や不動産コンサルティング事業のほか、不動産小口化商品を販売する。さらに、2022年からはブロックチェーン(分散型台帳)基盤を活用し、所有権を移転できる有価証券のセキュリティー・トークンの発行を行うデジタル不動産の販売をスタート。いちごオーナーズの纐纈(こうけつ)雅彦社長に同社の事業と、今後の展開について聞いた。
目利きのバイヤーが購入 1棟10億円規模メイン
―改めて御社の事業内容を教えてください。
当社は不動産セレクトショップをビジネスモデルとしています。不動産の目利きのバイヤーとして、国内不動産から収益性が望めるいいものを仕入れ、いちごの「心築」を施して、リーシングにより満室稼働にして販売するという仕組みです。そのため取得のぺースを落とさないようにしています。
―いちごの心築とは何ですか。
いちごのサステナブルエンジニアリング本部には、ゼネコンや建築会社出身者らの建築現場のプロが数多くいます。このいちごの技術とノウハウを活用し、一つ一つの不動産に心を込めた価値向上を図り、現存不動産に新しい価値を創造する事業を心築と呼んでいます。当社は、主に好立地の中規模不動産を取得し、順法性の確保や耐震補強、稼働の改善を行い、不動産の持つ本来の価値を生かしています。そのうえで多様化するニーズに合わせた価値向上や、経済耐用年数の長期化を図っています。
―建物の品質もチェックし改善して、販売しているのですね。
2022年からは完成品を仕入れるだけでなく、メーカーが工場を持たずに生産するOEM的な取得も始めています。厳しい品質チェックをクリアした建物を取得し、それを「いちごクオリティー」としています。具体的には、デベロッパーにいちごの標準仕様で開発を依頼して1、2年後に、当社が入居者のいない状態で購入。その後自社でリーシングして運営、販売するという形も取り入れています。
―クオリティーを重視していますね。