不動産売買や賃貸仲介・管理を行うセット(神奈川県藤沢市)は、2023年5月より、創業間もない企業の商品開発や事業拡大を支援する施設「湘南藤沢インキュベーションLABO(ラボ)」を運営している。
創業期の企業を応援
インキュベーションとは、起業家の育成や新しいビジネスを支援する活動やサービスのこと。サービス提供者はインキュベーターと呼ばれ、ベンチャーキャピタルや自治体などが多い。セットは施設の運営と、同施設に入居している企業の退去後の拠点の仲介を行うことで、地域活性化につなげたい考えだ。
同施設は、横浜市営地下鉄ブルーライン湘南台駅からバスで約10分の場所に立地。鉄骨造2階建てで延べ床面積は約866㎡だ。部屋数は18部屋で、ものづくり企業のニーズに応えるため、大型機械にも対応する電気・空調設備を導入。24年1月17日現在、建設用資材や接着剤の研究・開発を行う会社ら9団体が入居している。
公的なインキュベーション施設は入居期間が定められていることが多く、期限が訪れると退去しなければならないという課題がある。そこで独立行政法人中小企業基盤整備機構(東京都港区)が慶応義塾大学と産学連携して運営する「慶応藤沢イノベーションビレッジ」と連携して、退去後の受け入れ先としての役割を担う。
契約形態は通常のオフィス賃貸と同様で、創業期の企業や企業の新規事業を担う部門であれば入居可能。賃料は地域相場より高いが、事業計画の作成や資金調達の支援などを行うインキュベーションマネジャーに技術的なサポートや法律、販路などに関する相談ができる。会議室や休憩室などの共用部も利用可能だ。
(2024年1月29日8面に掲載)