超高齢化社会において、オーナーの相続に立ち合うケースは増えています。相続のタイミングで管理停止になった、といったことも珍しくありません。次世代のオーナーとの関係性を維持するため、管理会社が相続に関する様々なことを支援する必要性は高まっています。今回は公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京都千代田区)の相続支援研究会に所属する管理会社に、各社が進める相続支援の取り組みを取材しました。
取材したのは5社。管理戸数246戸でエリアを限定して展開している松屋(東京都大田区)や、宮城県仙台市を拠点に約1万4000戸を管理する平和住宅情報センター(宮城県仙台市)など、規模・商圏共に紹介します。
最初に「オーナー数」を聞いたところ、管理戸数が最も多い平和住宅情報センターが約1000人で、オーナー数も最多となりました。また「おおよその地主:投資家の比率」多くが地主と投資家の比率では、地主のほうの比率が高いと回答する中、平和住宅情報センターは1:9と圧倒的に投資家が多いという回答でした。
§1 管理会社に聞いた 何年前から相続支援を始めた?
次に「何年前に相続支援に注力し始めたか」と「主な取り組み」を聞きました。10年ほど前から開始した会社が多い結果となりました。ただ、アーバン企画開発(神奈川県川崎市)は25年前からで、他社に比べて早い段階で取り組みを始めていました。
§2 相続支援の取り組みと実績は?
「相続セミナーの年間実施回数」という質問においては、豊後企画集団(大分市)が年12回で最多でした。また、実際に相続支援を行った内容として同社では相談・概算・相続税申告・遺言書作成など多岐にわたっていました。アスタス(島根県松江市)ではアパート建築につながった事例も出ていました。
§3 相続支援を進めるための課題は?
最後に「相続支援を広めるための課題」を社内とオーナー側の双方の視点で質問をしました。社内での課題として、相続の意識が社内で浸透していない事や相続の相談が可能な企業としての認知度が低いことが上げられます。また、オーナー側の課題としては、先延ばしにしているケースや、親子関係が気薄で相続の会話ができない。といった回答がありました。