AIで生活リズムを分析
通信システム構築を手がけるビーマップ(東京都千代田区)は2024年10月4日、電力使用データを利用した見守りシステム「おうちモニタ」の提供を開始。賃貸住宅における独居高齢者の安否確認での活用を想定する。
契約世帯に設置されたスマートメーターが計測する電力使用データを、一般社団法人電力データ管理協会(同)を通じてビーマップが取得。過去最大1年分の電力使用データをAI(人工知能)に学習させ、1日の電力使用のパターンを作成する。このパターンから大きく外れた電力使用が続く場合に異常があったと判断し、メールや「LINE」などで指定連絡先に通知を行う。
開発に携わった事業推進本部インテグレーション部の馬谷聡執行役員は「生活リズムは世帯によって異なる。世帯ごとに電力使用パターンをつくることで異常検知の精度を上げた」と話す。
機器の取り付けが必要なく、費用や設置の手間を低減できる点が強みだ。利用料金は1戸あたり月額数百円程度。サービス導入にあたっては、契約者から電力データ提供の同意を書面で得る。
サービス提供開始に先立ち、同年7月からは見守りサービス「Mimamo(ミマモ)」を展開するIRIS(アイリス:東京都港区)と提携し、おうちモニタの試験運用を行っている。IRISが入居者にサービスを販売し、ビーマップが電力使用データによる見守りの情報を提供する。
今後は管理会社や見守りサービス提供事業者、家賃債務保証事業者などへの提供を目指し訴求を進める。
ビーマップ
東京都千代田区
馬谷聡執行役員(53)
(2025年1月13日6面に掲載)