前年比2倍、累積900棟に到達
戸建て賃貸住宅のフランチャイズチェーン(FC)を展開する洋館家本店(栃木県鹿沼市)が、自社で施工した物件の竣工数を倍増。2025年3月期に100戸(長屋タイプを含む)と前期から大きく伸ばした。自社施工物件数は累積で900棟を超えた。FC加盟店全体では4000棟に達している。
竣工数が増えたのは、本社を置く栃木県が中心で、このほか埼玉県北部、茨城県西部だ。地主層の高齢化により相続対策の相談が増えている。土地形状に合わせて2世帯で1棟となる長屋タイプが増加したことも施工数を押し上げた。戸建て賃貸の入居への需要が高いことから、不動産会社からの紹介案件も増加している。
25年3月期は栃木県のほか、群馬県、茨城県などの北関東エリアから1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)での営業を強化する。25年中に営業拠点の設置も視野に入れる。
事業の好調を支えるのは、退去してもすぐに入居者が決まる高い入居率だ。自社管理物件の平均築年数は25年を超えたが、いずれもほぼ満室を維持している。
要因は、国産建材と住宅設備にこだわり、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準も満たした高品質な住環境を、資材の一括購入と設計コストの削減により、安価に提供する仕組みにあると同社はみる。
一世帯あたりの平均建築コストは1500万円で、土地代を含まない建築コストに対する平均利回りは9.6%だ。「当社が目指すのは、若い夫婦をメインとする勤労世帯に、良質な住宅を提供すること。子どもが友達を呼べる家を安価に提供することを目指している」(福田功社長)
2月22~24日には、栃木県真岡市に竣工する2世帯1棟の戸建て賃貸住宅で、オーナーやパートナー企業を対象にした現地見学会を開催する。23日には、福田社長によるセミナーを現地で実施する。セミナーは事前予約制となっている。
洋館家本店
栃木県鹿沼市
福田功社長(72)
(2025年2月3日2面に掲載)